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PandaDoc社員4名がベラルーシで逮捕、ルカシェンコ体制批判への報復か

米国時間9月5日、米国拠点のエンタープライズ向けソフトウェアスタートアップであるPandaDoc(パンダドック)の社員4名がベラルーシ警察に首都ミンスクで逮捕された。同社の創業者が26年君臨するAlexander Lukashenko(アレクサンドル・ルカシェンコ)大統領に対する抗議活動に参加したことに対する国家主導の報復と見られている。国際監視団はルカシェンコ氏が同国で最近行われた選挙を自らの有利になるよう不正操作し、野党党首のSviatlana Tsikhanouskaya(スベトラーナ・チハノフスカヤ)氏の当選を阻止したと見ている。

PandaDocは2013年にベルリンのTechCrunchミートアップでデビュー(未訳記事)した後、5110万ドルを調達し、現在サンフランシスコに本社をおいている。同社は声明を出し、米国時間9月5日にミンスク開発オフィスが警察および「資金情報機関」の強制捜査を受けたことを発表した。

PandaDocは新たなウェブサイト、SavePandaDocに声明文を掲載して本件の概要を説明し、社員は事務所外に出ることを禁じられ、弁護士との接見は許されず、管理職の一人は警察に連行されたと書いた。

創業者の一人で米国在住のMikita Midado(ミキタ・ミダド)氏も本件に関する個人声明を自身のInstagramとYouTubeで公開した。

逮捕されたPandaDoc社員4名は、会社の資金10万7000BYR(ベラルーシ・ルーブル、約435万円)を横領し、課税を逃れた罪で告発されている。社員らは2カ月間拘留されている。

しかしPandaDocは声明で「この告発はまったくのでっち上げであり、一切根拠がないことを宣言する。当社のあらゆる行動は法に則っており、そのことは国際的監査や調査によって繰り返し確認されている」と語った。

現在勾留されている人物と役職は以下のとおり。

同社は本社事務所をサンフランシスコに置いているが、ベラルーシ政府がテック業界を支援するために開発したベラルーシ・ハイテクパークもに巨大なオフィスを持っている。

PandaDocは、警察の強制捜査は同社の創業者、特にミダド氏がルカシェンコ氏による民主化活動家の暴力的抑圧を公の場で抗議したことと関連があるに違いないと言っている。しかしミダド氏の行動は純粋に個人的なものだった。

最近、ミダド氏はこの抗議運動の指導的発言者となっている。ProtectBelarus.orgという活動を立ち上げ、抗議者に対する暴力や拷問の命令に背く決断をしたベラルーシ警察官を経済的に支援し、テック業界で働けるよう教育している。

ベラルーシの警察官は、実質的な「契約社員」となり、契約時に多額の支払いを受けるが、契約を破棄するとその時点で直ちにその金額は負債となる。

ミダド氏は声明の中で「8月29日現在、6000通以上のメッセージと約600件の支援要求を受け取った」ことを明らかにした。「同サイトは有志によって運営されておりPandaDocとの関係はない」と同社は説明する。

「世界のテック企業には、このメッセージをシェアし、#SavePanadaDocタグを付けて行動を起こすことでPandaDocを支援するようお願いしたい」とミダド氏は声明で呼びかけている。

「もはや法律はない。当局は法に従って行動しようともせず、上からの政治命令のために事実を捻じ曲げている。みなさんがもしこれは自分には関係ないと考えているなら、正反対であることを保証する。すでに全員に影響を及ぼしている」と声明に書かれている。

「これ以上黙ってはいない!国の法秩序は混沌状態だ。当局の行動は集団虐殺と抑圧以外実行されない。先へ進むほど戻すのに時間がかかる。断崖はすぐそこに迫っている。我々は、同僚を直ちに釈放し、容疑を解き、会社を通常通り運営させ、福祉と収益を元に戻せるよう要求する」。

ベラルーシ内の事務所は閉鎖を余儀なくされており、「ベラルーシ共和国以外にハイテクノロジー・パークの代わりを設立し始める」と同社は表明している。

PandaDocはつい最近3000万ドル(約32億円)のシリーズBラウンドを実施し、One Peak、Microsoft Venture Fund M12、およびEBRD Venture Fundから資金調達した。

8月9日のベラルーシ大統領選挙の後、警察は平和的抗議を暴力で取り締り、6名の死者を出し、450件の警察による拷問事例報告が国連に承認されている。なお、この選挙は自由で公正ではなかったとEU、英国、米国は認識している。ルカシェンコ氏に有利な投票操作が行われたことが広く報道されたためだ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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