2030年までの国際目標であるSDGsの目標12「持続可能な消費と生産」に組み込まれているフードロス削減は、日本においても「SDGs実施方針」の優先課題に位置づけられている。
そんなフードロス削減に貢献するサービスとして、株式会社コークッキングは2018年4月にフードシェアリングサービス「TABETE」をスタート。サービス開始から約2年半が経ち、2020年8月までで累計5万食の食事をレスキューし、9月3日に登録ユーザー数が30万人を突破した。
同社はこの背景として、新型コロナウイルスの影響が大きいと考えているようだ。今回は、「TABETE」の成長過程と同ウイルスによる事業者・消費者の意識の変化などをお伝えしたい。
「食べて」の思いを「食べ手」に届ける
まずその前に同サービスについて簡単に説明しよう。
飲食店や惣菜店の閉店時間や商品入れ替えなどで「まだ食べられるが廃棄しないといけない」商品があったとき、「TABETE」のアプリに掲載することで、ユーザーがその商品を「レスキュー」してくれるのが同サービスだ。
ユーザーは、出品された商品の購入予約をして指定の時間に受け取りに行くことで、廃棄されそうな商品を美味しくお得に手に入れることができる。
サービス開始以降、東京農業大学と連携したり、JR東日本スタートアップと駅ナカのフードロス削減に挑むなど、フードロス削減に貢献してきた。
緊急事態宣言中の急成長
ユーザー数やレスキュー数が大きく伸びたのは、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言期間中の4月~5月のことだという。緊急事態宣言が発令されていた4月7日~5月25日の49日間と発令前の49日間(2月18日~4月6日)を比較すると、出品数は約2.3倍、レスキュー数は約2.2倍にのぼったようだ。
自粛ムードのなかで事業者からの出品数が伸びるのは容易に想像がつくが、レスキュー数がそれに匹敵するほどの伸びを見せたのはなぜだろうか?
アンケートにはこんな声が……
そのほか、自由回答の内容を大きく分類すると、「お得感」「良品」「エンターテイメント」などの要素もあったとのこと。安くでも売りたい事業者とお得に買いたい消費者のニーズがマッチした結果「お得感」という理由が挙げられているのだろう。
また、日頃買わない良いものを入手しやすいということや、ちょっと変わった買い物の方法をしてみようという好奇心、自宅でもお店の味を楽しみたいという思いなどさまざまな要素が混ざり合い、同サービスの成長を後押ししたのではないだろうか。
同社代表取締役CEOの川越一磨氏は「できる限り速いスピードで、お店のコミュニティ醸成に寄与し『ロスに困ったときに頼れるTABETE』を目指して、全国展開を進めてまいります。」とコメントしている。
- Original:https://techable.jp/archives/136938
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口