自分の声が半永久的に何かを伝え続けるとしたらどうだろう? そんなことを考えたことがない人のほうが多いのではないだろうか。
しかし、このたびコエステ株式会社が提供を開始した「デジタルボイス・プレミアム」なら、それが実現するというのだ。最先端の音声合成技術を用いて、個人の声の高音質な合成音声を保存、活用することができるサービスとのこと。
ちなみに同社は、2020年2月5日にエイベックスと東芝デジタルソリューションズが設立した企業だ。
コエが集まるプラットフォーム
同社は、一般ユーザーから有名人まで多様な「コエ」の合成音声を作成し、さまざまなデバイスとつなぐことのできるサービス「コエステーション」を提供中。
法人向けの「コエステーション」では、有名人の公式の「コエ」や一般ユーザーが作成した「コエ」で、用意したテキストを読み上げることが可能となる。プレゼンや講習会などでより効果的と思われるコエを選んで再生することで、これまで以上の成果をあげられる可能性もあるとのこと。
2020年3月時点で利用可能な有名人のコエは30以上。アーティストのMay J.さんやDJ KOOさん、お笑い芸人のクロちゃんのほか、アナウンサーや女優、ラジオDJなど特徴のあるコエがそろっている。ちなみに、一般ユーザーのコエは7万以上(8月時点)。
一方、個人向けの「コエステーション」は、スマートフォンアプリを使って指定の文章をいくつか読み上げることで自分の声の分身である「コエ」を生成し、入力したテキストをそのコエで読み上げさせることができるというもの。なお、読み上げる文章の数が多いほど、自分の生声に近い合成音声ができるという。
自分のコエを若返らせたり老けさせたりと自由に調整できるのもおもしろい。また、SNSに音声付きで投稿できたり、家族や友人にパスワードつきで自分のコエをシェアしたりもできるようだ。そのほか「コエ診断」や合成音声による会話「コエダシテコー」などのコンテンツもある。
高音質なコエを作れる
収録はエイベックスのスタジオで行われ、最先端の音声合成技術によってその声の声色や喋り方を学習し、分身となる「コエ」を作成する。このとき、抑揚やリズムなども同時に学習するため、これまでの機械音的な合成音声とは一線を画する仕上がりとなるようだ。
コエを作成後は、テキストを入力するだけで高音質かつ自然にその文章を読み上げるとのこと。
このコエの活用シーンは幅広く、忙しい経営者のコエで代理人が講演を行ったり、亡くなった後に家族や友人に自分のコエでメッセージを残したり、病気やケガで声を失った人が自分のコエでコミュニケーションを続けたりとさまざま。
同社は、IoT化が加速するなかで「コエ」による音声出力へのニーズが高まると見込んでいる。今後はSNSメッセージを送信者本人の「コエ」で送ったり、スマートスピーカーの音声を身近な人の「コエ」で出したりと各種サービス企業との連携を目指していくとのことだ。
- Original:https://techable.jp/archives/137071
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口