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植物ベースの牛乳と肉の代替品を製造するチリのNotCoが約90億円を調達して米国に進出

植物ベースの牛乳と肉の代替品を製造するチリの食品技術企業であるNotCoは、同社の製品を米国市場に投入するために新たに8500万ドル(約90億円)の資金調達ラウンドが終了したことを明らかにした。

今回の発表は、同社が新たな資金を調達したというTechCrunchの以前の報道を裏付けるものだが、投資に詳しい情報筋によると、同社の評価額は約3億ドル(約318億円)で、TechCrunchが以前報じた2億5000万ドル(約265億円)ではないという。

今回の資金調達は、消費者向けのプライベートエクイティ会社であるL Catterton Partners、Twitterの共同創業者であるBiz StoneのFuture Positive投資会社、巨大ベンチャーキャピタルのGeneral Catalystなど、新規投資家からのものだという。既存投資家である、Kaszek Ventures、The Craftory、アマゾン創業者Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)の個人投資会社であるBezos Expeditions、Endeavor Catalyst、IndieBio、Humbolt Capital、Maya Capitalも今回のラウンドに参加した。

NotCoは、ハンバーガーの代替品であるNotBurgerとNotMeatのブランドで、チリのBurger King(バーガーキング)とPapa John’sのレストランで販売されているほか、植物性のNotIceCream、NotMayo、NotMilkなどの乳製品も提供している。

NotCoの最高経営責任者であるMatias Muchnick(マティアス・ムックニック)氏は、牛乳だけでも数十億ドル規模の市場であり、中南米と米国の両方で同社が優位に立てると考えている。事業を軌道に乗せることで、Perfect Dayのような資金豊富な競合企業と競合することになるだろう。Perfect Dayは今年初めに3億ドル(318億円)の資金を調達し、同社の牛乳代替品を使った製品を扱う消費者ブランド子会社としてUrgent Companyを立ち上げている。

Kaszek Venturesのマネージングパートナーを務めるNicolas Szekasy(ニコラ・セカシ)氏の長年の投資家にとって、NotCoのための新しい資金調達は、チリのサンティアゴの会社が世界最大の消費者市場のいくつかで競争するという同社の初期の信念に沿ったものだ。

「我々は初期の頃から積極的に、NotCoが食品技術の空間で世界をリードするプレーヤーになる可能性の強い信念を持ってサポートし続けています。この不確実な時代に、消費者は植物ベースの食品への興味を増幅させている」とセカシ氏は声明で述べている。「それと並行して、新型コロナウイルスの感染蔓延は、食肉生産が環境に有害で非効率的なだけでなく、そのサプライチェーンが脆弱であることを我々に気づかせてくれました。植物由来の製品が新しい標準の中でますます大きな割合を占めるようになってきている転換点を目の当たりにするのは喜ばしいことです」と続けた。

NotCoの国際的な拡大計画を支援するには、大規模な多国籍食品ブランドからの経験豊富な幹部のクラッチです。フラビアBuchmannは、コカコーラの元幹部は、同社のスプライトブランドを監督し、同社の新しい最高マーケティング責任者として選出されています。ダノンの元幹部であるルイス・シルバ氏とカトリエル・ジュリアーノ氏は、それぞれグローバル事業開発と研究開発の責任者に就任します。そしてホセMenendezはJeffriesの元銀行家およびTapadのエグゼクティブ、今NotCoの全体的な最高経営責任者である。

NotCoの国際展開計画を支援するために同社に加わるのは、大手多国籍食品ブランドの経験豊富な幹部たちだ。コカ・コーラの元幹部でSpriteブランドを監督していたFlavia Buchmann(フラビア・バックマン)氏が、同社の新しい最高マーケティング責任者に指名された。Danone(ダノン)の元幹部であるLuis Silva(ルイス・シルバ)氏とCatriel Giuliano(カトリエル・ジュリアーノ)氏は、それぞれグローバル事業開発と研究開発の責任者を務めている。また、Jose Menendez(ホセ・メネンデス)氏はニューヨークに本社を置く投資銀行であるJeffriesの元銀行員でクロスデバイスマッチング技術のTapadの幹部だったが、現在はNotCoのグローバル最高執行責任者(COO)だ。

NotCoが登場して以来、大量のベンチャーキャピタル資金が食品分野に流れ込んでおり、これらの取引の多くは新しいバイオ製造技術と食品科学が交差する分野で行われている。しかし、NotCoのフードテクノロジーに対する考え方はImpossible FoodsやPerfect Dayよりも、Beyond Meatに近い。NotCoは生物学的に加工された食品を作っているのではなく、既存の食品を分類し、どの植物成分の組み合わせが動物性食品の特性に近く、取って代わることができるかに焦点を当てている。

つまり、より近い例としては、Justや新たに資金提供を受けたクライマックスフーズ社のような会社が挙げられるだろう。Muchnick氏は、これらの企業が時間を費やしているところに違いがあると言います。代わりに、カゼインや炭水化物の乳糖のための1つの代替として機能することができますタンパク質に焦点を当て、NotCoは、製品全体を複製しようとしている – 特定の食品の全体の感覚パネル。

つまり、Justや最近設立されたClimax Foodsのような企業に近い。ムックニック氏によるとこれらの企業との違いは「時間を費やしている場所にある」という。NotCoは、カゼインや炭水化物の乳糖の代わりになるタンパク質に注目するのではなく、特定の食品の全体を複製しようとしている。具体的には「味、味、匂い、色、そしてそれらすべてと食品中の分子成分との相互作用」と同氏は説明する。「食品を複製することにどれだけ制限があるか、食品業界のほかの課題に対処するためにAIを使用することにどれだけ制限があるかという概念だけではありません」と続ける。

ムックニック氏にとって、NotCoにとって最大のチャンスは乳製品だ。同社は、NotBurgerとNotMeat製品のラインを補完するために、チキンの代替品を含む多くの新製品を導入する計画を持っており、同社が獲得し拡大したいと考えているのは、まさに乳製品ビジネスだ。同社は、大手のファストフードチェーンやオンラインチャネルと消費者への直接販売を視野に入れている。

同氏が他のベンダーに製品を供給することに注力することで、消費者が同社のブランドを意識しなくなることを期待している。

「我々は川上と川下のパートナーとなった」と同氏。同社は、でん粉製品を取り扱うIngredion、食品・飲料メーカーのADM、穀物メジャーのCargillなどのサプライヤーと協力しており、川下には同社の代用乳を他の製品に組み込む製品パートナーがいる。「私たちが望んでいるのは、他の多くの企業と一緒に変化の触媒になることです。なぜ私たちは実現者を目指さないのか。私たちはインテルのように他の製品の中で活躍する存在です」と続けた。

この規模では、ムックニック氏は株式投資家の最有力候補であり、もし同氏がが自分のやり方を貫けば目標に到達できるだろう。「2024年までに、事業の70%を米国で3億ドル(約318億円)規模の企業にすることを目指しています」と同氏は締めくくった。

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

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