インドのフードデリバリースタートアップであるZomato(ゾマト)は、米国のVCであるTiger Globalから1億ドル(約106億円))を調達し、次の段階であるIPOに向けて準備を進めている。
規制当局のファイリングによると同社は、Tiger Globalが設立した「Internet Fund VI」を通じて資金を調達したという。Zomatoの主要投資家であるInfo Edgeは、米国時間9月10日の夜にこの資金調達を認め、新たなラウンドではZomatoの調達後の評価額が33億ドル(約3500億円)になったと付け加えた。
Zomatoの共同創業者で最高経営責任者のDeepinder Goyal(ディープンダー・ゴヤル)氏は、本日従業員に宛てたメールの中で「Zomatoは銀行に約2億5000万ドル(約265億円)の現金を保有しており、さらに数人の『大物』投資家が今回のラウンドに参加し、現金準備金を「すぐに」約6億ドル(約637億円)に増やす予定」と言及した。
「重要なことですが、これらの資金をどのように使うかについては、すぐには計画していません。我々はこの現金を将来のM&Aのための『軍資金』、そして我々のビジネスのさまざまな分野での競争相手からの挑戦や価格競争を立ち向かうために使う予定です」とTechCrunchへのメールの中で付け加えた。
今年初めにインドでのUberのフードデリバリー事業を買収したZomatoは、同国ではProsus Venturesの支援を受けたSwiggy(スウィギー)と競合している。第3のプレイヤーであるAmazon(アマゾン)も市場に参入しているが、現在はバンガロールの厳選された郊外のみでフードデリバリーを提供している。
ゴヤル氏は従業員に「創業12年になるスタートアップであるZomatoは『来年前半のどこか』でのIPOに向けて動いている」と語った。Zomatoがどのようにしてこの目標を達成するかは不明だが、おそらく米国や他の市場での上場を視野に入れているだろう。現在のインドの法律では、スタートアップはインドで上場する前に少なくとも3年間は利益を上げていなければならない。なお現在、この要件を緩和するという動きもある。
Zomatoの新たな公約は、ここ数四半期の事業が大幅に経済的に改善した結果だ。Zomatoは昨年半ばまで、激しい割引を提供することで顧客を獲得し、それを維持するために月5000万ドル(約53億円)以上の損失(未訳記事)を出していた。
首都デリーの南西部のグルグラム(グルガオン)に本社を置くこの会社は、新型コロナウイルスがオンラインでフードを注文するインド人の食欲を台無しにしたため、Swiggyと同様にここ数カ月で何百人ものスタッフを解雇したが「7月にはその月の損失は100万ドル(1億600万円)以下になるだろう」と語っていた。
Zomatoはまた、新しい資本を調達するうえでの障害に直面した。1年前に資金調達ラウンドを開始したが、1カ月前の時点では5000万ドル(約53億円)しか確保できていなかった。同社は当初、今年1月に約6億ドル(約637億円)でこのラウンドを終えると予想していた。
ゴヤル氏は4月にTechCrunchの問い合わせに電子メールで回答した際、「遅れの原因は新型コロナウイルスの蔓延にあるとし、5月中旬までにはラウンドを終了すると予想していた」と述べていた。同氏は本日、Tiger Global、シンガポールの国家投資部門であるTemasek、Baillie Gifford、Ant Financialが現在のラウンドに参加していることを業員に明らかにした。
画像クレジット:Nasir Kachroo/NurPhoto / Getty Images
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(翻訳:TechCrunch Japan)