ブルックリンを拠点とする電動バイクのスタートアップであるTaform(ターフォーム)は、先週ニューヨークで現在オートバイを好きではないかもしれない人たちに向けてデザインされた電動バイク「Luna(ルナ)」を発表した。
Tarformから提供される、最初の公道走行可能車のLunaは最安値2万4000ドル(約255万円)で、0〜60mph(時速約0〜96.5km)加速を3.8秒で達成し、市街地での航続距離は120マイル(約193km)、最高速度は120mph(時速約193km)で、同社の発表した仕様によれば50分で80%まで充電できる。
このモデルは電動バイクの環境持続可能性に、美的デザインと職人技を融合させるという同社の使命から生まれた。
そのために、Lunaには多くのユニークなエコデザインが採用されている。車体は亜麻の種子から作られたもので、オートバイ全体がプラスチックの利用を避けている。またLunaのシート張りには、生物分解性のビーガンレザーが利用されている。Tarformはまた、オートバイの塗装や下塗りを避けるために、藻類と鉄ベースのメタリック顔料を注入した単一素材の利用もテストしている。
同社は、工業デザインのスペシャリストであり、スタートアップ起業の経験者、そして情熱的なモーターサイクリストでもあるSwede Taras Kravtchouk(スウィーデ・タラス・クラフチュク)氏によって創業された。Lunaの発売は、2018年にデビューした2種類のコンセプト電動バイク(未訳記事)に続くものだ。
「これは、カスタムバイクを求めている人や技術オタクのためのバイクであり、バイクを所有したいと考えてはいるものの、決まりきったバイクのライフスタイルのイメージに関連付けられたいとは思わなかった人たち向けのものでもあります」とクラフチュク氏はTechCrunchに説明した。
Tarformは電動バイクの世界に、ガソリン車のライダーを電動に改宗させ、若い世代をモーターサイクルに惹きつけようとしている複数の電動バイクスタートアップ(未訳記事)や、OEMたちと競い合うように参入した。
そうした企業のリーダーの1つは、世界中に200のディーラーを抱えるカリフォルニアの企業であるZero Motorcycles(ゼロ・モーターサイクル)だ。Zeroは2019年に1万9000ドル(約202万円)の電動スポーツバイクであるSR/Fを発売したが、これは市内航続距離161マイル(約259km)、1時間の充電時間、最高速度は124mph(時速約199.5km)となっている。イタリアのEnergica(未訳記事)は、米国での高性能電動バイクの販売を拡大している。
2020年にHarley Davidson(ハーレー・ダビッドソン)は、米国で公道走行可能な電動バイクを販売する初の大手ガソリン車メーカーとなった。その電動バイクであるLIveWire(ライブワイア)は2万9000ドル(約308万円)だ。
カナダのスタートアップであるDamon Motors(未訳記事)は、今年最高時速200mph(時速約321km)、2万4000ドル(約255万円)のHypersport(ハイパースポーツ)を発売した。同車は独自の安全ならびに人間工学機能を採用しており、乗車位置の調整が可能で、死角を検知することもできる。
Tarformがこうした電動バイクプレーヤーたちとどのように競争していくのかという質問に対して、クラフチュク氏は、それは同社の優先事項ではないと説明した。「私たちは、Zeroや他の大手企業に迫るような生産を行っていませんが、そうすることが私たちの意図ではありません。(Lunaのことは)オーダーメードバイクだと考えてください」と彼はいう。
「私たちは最速のバイク、あるいは最長の航続距離を持つバイクを目的に始めたわけではありません」とクラフチュク氏は付け加えた。「私たちは、電動バイクの製造とサプライチェーンを完全に見直し、エシカルに資材を調達する、エシカルなサプライチェーンの構築を始めました」。
この使命のために、TarformはLAを拠点とするM13を含む、複数のファミリーオフィスやエンジェル投資家たちから資金を得ている。CEOのタラス・クラフチュク氏によれば、ブルックリンを拠点とする同社は、現在新しいLunaの予約注文を開始し、2021年のシリーズAの資金調達ラウンドの準備を勧めている。
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カテゴリー:モビリティ
画像クレジット:Jake Bright
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(翻訳:sako)