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無線信号で寝相をモニターするシステム「BodyCompass」をMITが開発、病人ケアに

寝相をモニターするには部屋にカメラを設置したり、加速度計を身につけたり、ベッドマットにセンサーを敷き込んだりする方法がある。

しかし映像を記録するというのはプライバシーの観点からは決して好ましいものではなく、またガジェットを身につけるのに抵抗がある場合も考えられる。そこでマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームが開発したのは、無線信号を使ってモニターするシステムだ。

信号の跳ね返りを分析

MITのコンピュータサイエンス・AIラボのチームが開発したのは「BodyCompass」という、無線信号を発しその跳ね返りを分析することで寝ている人の動きを把握できるというシステム。

具体的には、Wi-Fiルーターのようなデバイスを壁に設置し、デバイスから信号を出す。信号は、寝ている人の体の表面を含むさまざまなものから跳ね返ってくる。BodyCompassではつながっているコンピューターにある特殊アルゴリズムでその跳ね返りを分析し、寝ている人の姿勢を把握できるのだという。

寝たきりの床ずれ対策に

ただ、このシステムは一般の人の寝相を良いものにするためのものではなく、医学的な目的のために開発された。

術後の人や睡眠時無呼吸症候群の患者、寝たきりの人などの睡眠姿勢の観察に活用することを想定している。例えば、寝たきりの人やパーキンソン病の患者であれば、寝相パターン、あるいはどれくらい姿勢を変えていないかを把握することでたとえば床ずれを予防するのに役立つ。

乳児であれば、うつ伏せ寝をすぐさま感知するようにして乳幼児突然死症候群を防ぐのに活用できる。

開発チームは26人を対象に200時間超のテストを実施。1週間の睡眠データをBodyCompassのもの、そして2つのモーションセンサーのものと比較したところ、精度は94%だったという。BodyCompassの人工知能は使用するごとに訓練されていくため、1晩だけの使用では精度は87%だった。研究チームは今後、精度をさらに高めて実用化を目指したい、としている。

MIT

(文・Mizoguchi)

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