掃除の時間を新次元へと導く、新しいZUBAQ誕生。
初代モデルの発売から約2年を経て、第3世代となる新機種が誕生したZUBAQ。手前に引くとスティックに、持ち上げるとハンディになる独自機構はそのままに使いやすさが更に向上。新たな掃除スタイルを提案する本機の秘密に迫る。
手前に引けばスティック、
持ち上げればハンディになるZUBAQが
更に使いやすく進化を遂げた。
iNSTICK ZUBAQ(HC-JD2X)
実勢価格:9万9000円
付属品収納クリーナー寸法:W225×D190×H1,005mm/収納時寸法:W270×D270×H1,020mm/クリーナー質量:1.9kg(パイプ・ブラシ含む)運転時間:自動約8〜40分、標準約40分、強約8分/充電時間:約90分/(ふとんクリーンブラシ、ロングノズル、毛ブラシ、ロングホース、サッシノズル、お手入れブラシ、付属品収納袋を付属)
新機能「パワーシフトモード」によりフローリングなら標準、カーペットなら強と自動でモードを切り替え。より効率的な吸引が可能になった。回転ブラシをサッと引き抜くだけの「毛がらみ除去機能」と最大毎分12万5000回転を誇る強力吸引のJCモーターも旧モデルから後継している。
取り出しも収納もスマート。
ZUBAQの担った掃除の負担を減らすというミッション
高いデザインと機能性を持つZUBAQ。同機種の初代モデルから開発と営業を手掛けるデザイナーの奥田勇氏と、裕樹氏に詳しく話を聞いた。
スティック型とハンディ型にワンモーションで切り替えられる構造とラウンド状のフォルムは、ただキャッチーなだけでなく使いやすさを追求していく中で導きだしたデザインなんです。」ZUBAQのデザインを手掛けた奥田氏は真っすぐな眼差しで語り始めた。
「特にこだわったのは、多くの人にとって使いやすい仕様です。例えば持ち手が1箇所のみだと身長や腕の長さ、握り方の癖は人それぞれ違うのでどうしても掃除機のかけやすさに影響します。しかしラウンド状であれば、体型などに左右されずお客様が一番使いやすい位置で使うことができるんですね。そのため子供からお年寄りまで、自分に最適な持ち方で掃除することができます。また、狭い隙間でも本体を床と水平にできることで家具下もしっかりと吸引できるようにしました。プロダクトの外観だけでなく、お客様の掃除中の思考のノイズまで減らしてスマートにできたらという想いがデザインに込められているんです。」
奥田氏のその言葉通り、実際に本機を使うと汎用性の高さは他メーカーの掃除機とは一線を画しているように思う。清掃へのモチベーションが普段から限りなくゼロに近い筆者でも“掃除機をかける”という行為へのハードルが下がり、ストレスがなくなるのだ。これまで掃除に対して漠然と感じていた腰の重さとは積み重なった小さな手間であったことを実感した。
営業と開発を兼務する丁子氏はこう話す。
「既にご利用いただいているお客様からは、使いやすさ以外に吸引力も好評いただいているのですが、稼働時間を更に伸ばして欲しいというご意見があったためパワーシフトモードを搭載しました。カーペットの場合はフローリングよりもブラシにかかる負荷が高くなるため、それを検知すると吸引力を自動で強にするよう指令をだすんですね。この機能により、カーペットとフローリングを行き来して使う場合でもバッテリーを効率よく運転することが可能になりました。日本は床座文化が中心なので、そのような環境下でより効率良く快適に使っていただきたいという狙いがあります。また細かい点ですが新モデルではダストボックスの持ち手表面に滑り止めの加工を施したことでゴミ捨て時の着脱がしやすくなっています。(丁子氏)」
内部のモーターとの兼ね合いなど、掃除機は家電の中でも特にデザインの制約が多いプロダクトと言える。同社の場合、ここに更にずば抜けた使いやすさも兼用させるにあたりどのような壁があったのだろうか。
「従来の掃除機では充電台から取り出したり戻す際に、本体の向きをいちいちひっくり返す必要がありましたが、私たちとしてはその手間すらなくしたいと言う考えから従来の掃除機では複雑な形状になりがちな裏側になる部分も、ZUBAQでは収納時に表面となるため、スマートな見た目に仕上げるのは大変でした。また充電台への本体の着脱もスムーズにできなければ意味がないのでヘッドの柔軟性を上げ、滑りを良くするタイヤを配置しました。本体部の色付けは塗装による着色がメインですが、傷つきやすいヘッドや充電台は、プラスチックに金属やパールを練り込むことで、傷がついても色が剥げないようにしています。塗装と練り込み、異なる着色方法では、色や質感を揃えるのが難しいのですが、何度も調整し、一見してわからないレベルまで近づけられたと思います。色が合っていない製品は部屋に出しておきたくないですからね。(奥田氏)」
“デザインの行き先は、人”をフィロソフィーとする同社では、生活者の気持ちを的確に捉え企画・開発することを軸にしていると言う。これからの三菱はどう進化していくのだろうか。
① 「一枚焼きのブレッドオーブン(写真①)にしろ蒸気レス炊飯器にしろ、市場は大きくなくとも独自性のある機能をドンピシャで求めているお客様が必ずいらっしゃるんですね。それは販売台数や満足感のある口コミとしても反映されていますので、三菱らしい視点を更にブラッシュアップしていければと思います。(丁子氏)」
「未来の社会を予測し、そこから逆算してお客様のニーズや、必要な製品が何なのかを考えていきます。掃除機でいうと、お客様の掃除に対する意識がどう変化するかを考え、これまでの掃除機の枠にとらわれない製品開発に取り組んでいきたいと考えています。(奥田氏)」
同社は約100年の歴史があり、産業機器などBtoBの製品開発も幅広く手掛ける。今回改めて感じたのは、高い技術力と知見があるからこそ、ユニークな製品も安全かつ大胆に手掛けられるのだという点だ。それはきっと芸の道にも通ずる部分があると思う。トークセンスや演技力などは当人の基礎能力というベースがあってこそ初めて個性をにじませることができるからだ。三菱の唯一無二の独自性に触れたことで個人的にも身の引き締まる取材となった。今後の展開に更に注目していきたいと思う。
text : 奈津子
photo : 下城英悟(GREEN HOUSE)
奈津子
家電をこよなく愛するタレント。数々のレビュー執筆やメディア出演を行う。Instagramは「natsuko_kaden」。「開運!なんでも鑑定団」に出演中。
- Original:https://www.digimonostation.jp/0000129792/
- Source:デジモノステーション
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