Instagram(インスタグラム)は9月23日、TikTok(ティクトック)と競合するReels(リール)にいくつかの変更を加えた。初期レビューでデザインが批判され、またさほど人気を集めていないことが報道で指摘されたことを受けてのものだ。同社は、フロントのいくつかの点でユーザーからのフィードバックに応え、これまでよりも長いビデオを制作したりタイマーを長めに設定したりできるようにし、加えてクリップの編集・削除が簡単にできるツールも追加した、と話している。
TikTokによってショートビデオは人気となった。TikTokでは15秒というのがデフォルト設定だが、最長1分のビデオ撮影も可能でこちらは人気のオプションだ。しかしReelsは15秒のみのサポートでローンチした。驚くことではないが、Reelsを試した初期ユーザーたちはTikTokのようにもっと長いビデオが撮れることを望んだ。
それでもInstagramは1分の撮影には対応しない。その代わり、最長30秒撮影できるようにする。これによりユーザーは長いTikTokビデオをInstagram上で再利用できず、Reels向けにオリジナルコンテンツを制作することを余儀なくされる。
Instagramはまた、タイマー設定を最大10秒にのばし、クリップのトリムや削除もできるようになったと説明する。
「フィードバックに基づいて今後もReelsを改善していく。こうしたアップデートで制作や編集がより簡単に行えるようになる。まだ言うのは早いが、多くのエンターテイメント性に富んだクリエイティブなコンテンツを目にしている」とInstagramのReels担当ディレクターTessa Lyons-Laing(テッサ・リオンズ-レイン)氏は述べた。
ビデオ撮影や編集プロセスの向上はやっかいな点を簡素化するのに役立つかもしれないが、根本的な問題は解決してはいない。
TikTokの使いやすさは、かなり洗練された音楽同期のショートビデオに見えるコンテンツを制作するのに編集に長けている必要がないという点にある。例えば、もしあなたが編集をすべてマニュアルで行いたくない場合、TikTokのサウンドシンク機能を使えばビデオクリップにシンクロナイズする音楽を自動的に探す。
Reelsでは、ぴったりくる音楽をビデオに盛り込んだり、編集に合う音楽をマッチングするプロセスで手作業が多くなる。つまり、テックにお任せするのではなく、ユーザーが自分でしなければならない。
TikTokのクローンになるという図々しい試みであるにもかかわらず、Reelsにはデュエットや「Family Pairingペアレンタルコントロール」といったTikTokにある他の機能が欠如している。また、プライベートでのビデオ共有の仕方などもわかりづらい。ReelsはStoriesにも投稿できるが、かなり迷いやすいデザインだ。
加えて、Reelsの統合によってInstagramアプリは巨大なものになった。TikTokは完全にソーシャルネットワークだが、ReelsはクリエイティブなエクスペリエンスをStories、Shopping、Live Video、IGTV、そして標準的な写真やビデオの公開といった多くの機能とともに小さな箱に押し込もうとしている。
とはいえ、Reelsは数多くの著名ユーザーをなんとか引き込んできた。クリエイティブなコンテンツの例として、Billy Porter(ビリー・ポーター)氏、Blair Imani(ブレア・イマニ)氏、Doug the Pug(パグ)、ウィリム王子・ケイト夫人、Eitan Bernath(アイタン・ベルナス)氏らのトップReelsを挙げている。
TikTokの米国での運命はまだはっきりしないが、それでも禁止された場合、InstagramがTikTokのユーザーを取り込めるかは現時点ではわからない。
Instagramは、30秒のReelsを制作するオプションは9月23日から展開が始まり、トリミングや編集の機能はすでに使える、と話している。タイマーの延長機能は今後数日かけて提供する。
新たに加わった機能はReelsが利用できる50カ国で使えるようになる。Reelsは新マーケットを拡大中で、そうしたところでも展開される。
画像クレジット:Instagram
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(翻訳:Mizoguchi)