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ゲノム解析技術を不妊治療分野に医療実装するVarinosが総額3億円を調達

ゲノムテクノロジーを用いた遺伝学的検査を開発・臨床実装するVarinosは9月25日、第三者割当増資として3億円の資金調達を9月11日実施したと発表した。引受先はSMBCベンチャーキャピタル、みやこキャピタル。調達した資金により、マーケティングの強化、海外展開を視野にいれた事業拡大、IPOにむけた組織体制の構築を実施する。

Varinosは、診断や治療方針の決定にゲノム情報を利用するゲノム医療の実現化を目指すスタートアップ。代表取締役の桜庭喜行氏と、取締役の長井陽子氏を中心とする創業メンバーが2017年2月に設立した。現在は生殖医療および産婦人科領域を中心に女性のヘルスケアを支える新規の臨床検査を開発・提供している。本格的なゲノム解析が実施できる衛生検査所として、精度管理を徹底しながら次世代シークエンサーを使った新しい検査サービスを医療機関に提供してゆく。

最新のゲノムテクノロジーを活用し同社が独自開発し、世界で初めて実用化した「子宮内フローラ検査」は、不妊や着床障害の原因となりうる子宮内の乳酸菌や病原性細菌を網羅的に調べることが可能。妊娠成功率を高めるために、日本全国の不妊治療クリニックや大学病院に導入されているという。

また、日本産科婦人科学会が進めている着床前遺伝子検査(PGT-A)の特別臨床研究に解析機関の一員として参加しており、日本の少子高齢化問題の解決のため、子宮内フローラ検査と併せて、妊娠成績の向上に貢献するための検査を開発・提供。

今後、生殖医療領域だけでなく、周産期領域および新生児領域を対象としたゲノム関連検査についても開発を進め、妊娠から出産までに生じる様々な課題を解決する、ゲノム検査業界のリーディングカンパニーとして邁進するとしている。

2020年8月には、本社および検査ラボラトリーをお台場のダイバーシティ東京オフィスに移転。検査処理能力の拡張、新検査サービスの迅速な開発に向けた人材採用を加速している。今後は、今回の資金調達を通じて、新型コロナ渦におけるデジタルマーケティングの強化、PGT-Aの国内普及、子宮内フローラ検査事業の海外進出を進めてゆくと同時に、IPOに向けた準備を加速させる。

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