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インドネシア拠点のBukuWarungが10億円超を調達、マイクロマーチャント向け決済機能や信用スコアを提供

Y Combinatorのアクセラレータープログラムを終了して1カ月後、インドネシアの中小企業に金融サービスを提供するフィンテックスタートアップのBukuWarung(ブクワルン)は、DST Global、Soma Capital、20VCを含む著名な投資家から新たな資金調達を行ったと発表した。

資金調達額は非公開だが、情報筋によると1000万ドル(10億5600万円)から1500万ドル(15億8400万円)の間とのこと。新たな資金は、BukuWarungのテクノロジーチームの採用に使われる予定だ。TechCrunchは7月にBukuWarungを初めて取り上げた。

今回のラウンドに参加したエンジェル投資家には、著名な創業者や幹部が数名含まれている。金融テクノロジープラットフォームPlaidの共同創業者であるWilliam Hockey(ウィリアム・ホッケー)氏、Tinderの共同創業者であるJustin Mateen(ジャスティン・マティーン)氏、Superhumanの創業者であるRahul Vohra(ラフル・ヴォーラ)、Adobeの最高プロダクト責任者でありScott Belsky(スコット・ベルスキー)氏、Clearbitの会長兼スタートアップアドバイザーのJosh Buckley(ジョシュ・バックリー)氏、元Uberの最高プロダクト責任者であるManik Gupta(マニック・グプタ)氏、Spotifyの元アジア新市場責任者のSriram Krishnan(スリラム・クリシュナン)、20VCの創業者のHarry Stebbings(ハリー・ステビングス)氏、Bond Capitalの投資家のNancy Xiao(ナンシー・シャオ)氏、Fastの共同創業者であるAllison Barr Allen(アリソン・バー・アレン)氏が名を連ねている。WhatsApp、Square、Airbnbなどに投資したエンジェル投資家もいる。

Chinmay Chauhan(チンメイ・チャウハン)氏とAbhinay Peddisetty(アビネイ・ペディセッティ)氏の共同創業者が二人が昨年立ち上げたBukuWarungは、インドネシアの6000万人の「マイクロマーチャント」(小規模事業者)をターゲットにしており、近所の店またはワルン(小規模な家族経営のビジネス)のオーナーも含まれている。

このアプリはもともとペンと紙の台帳の代わりとして作られたが、今後はクレジット、貯金、保険などの金融サービスを導入する予定だ。8月に同社はBukuWarungのプラットフォームにデジタル決済機能を統合し、商店主がOVOやDANAのような銀行口座やデジタルウォレットから顧客の支払いを受け取ることができるようにした。BukuWarungの目標は、KhataBookやOKCreditがインドで展開しているのと同じ役割をインドネシアの商店主に果たすことだ。

BukuWarungがデジタル決済を開始した理由の1つは、新型コロナウイルスの感染蔓延の間、非接触取引と即時支払い(インスタントペイアウト)を求める顧客の需要に応えたことにある。この機能を導入して以来、同社はすでに年率換算で数百万米ドルの総支払額(TPV)を処理しているという。同社によると、現在ではインドネシアの第2、第3階層の都市を中心に、750拠点で約120万人の加盟店にサービスを提供しているそうだ。

デジタル決済は、BukuWarungの金融サービスを構築するための第一歩でもあり、他の会計サービスとの差別化にも役立つだろう。ペイメント機能は現在無料で、BukuWarungは手数料にわずかなマージンを上乗せするなど、さまざまなマネタイズモデルを実験している。

「BukuWarungが決済サービスを開始した理由もまた、非常に戦略的なものです。なぜなら、市場には多くの需要があるからです。私たちが提供する支払いは、銀行から得るよりも費用効率が良く、より安いので、1カ月未満で数百万の年間TPVを得られました」とチャウハン氏は語った。

「インドのKhatabookのような企業もデジタル決済を始めています。その理由は、それがビジネスを構築し収益化するための非常に重要なステップだからです」と彼は付け加えた。「決済ができなければ、なにもできません」。

「金融サービスプラットフォームを構築することは、簿記台帳に代わるユーティリティアプリを提供することと、最終的には運転資金や貯蓄、保険商品の融資を含む、商人にとって不可欠なサービスになることの違いである」とチャウハン氏。BukuWarungの会計機能は、信用力を評価するためのデータを提供することで金融サービス面に影響を与えるだろう。また、伝統的な銀行から運転資金を確保するのに苦労することが多いマイクロマーチャントが信用枠を利用できるよう支援する。

画像クレジット:BukuWarung

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(翻訳:TechCrunch Japan)

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