アフターコロナの社会では、抗体の有無を素早くチェックできる仕組みの浸透が望まれる。抗体の有効期間や有効性の個人差など、いまのところ不確定な要素が多いものの、今後解明が進められるにつれて、活動制限のあり方が確実に変わってくるだろう。
こうしたなか、ジョンズ・ホプキンズ大学の研究者らは、市販のグルコースモニターを利用して抗体検査ができるシステムの開発を計画しているようだ。
抗体検査を迅速かつ安価に展開
糖尿病患者の血糖値管理で用いられるグルコースモニターが広く浸透していることから、研究者らはこれを利用したシステムの開発を思いついた。
グルコースモニターは、指先に針を刺して採取した血液から血糖値を測定する。すでに流通しているデバイスが利用できれば、抗体検査が迅速かつ安価に展開できるだろう。
そのために今回開発のシステムでは、抗体とグルコースを関連付ける必要があった。これが叶えば、グルコースモニターにリトマス試験紙をセットするだけで抗体検査ができるようになる。
間接的に抗体を検出するシステム
研究者らは、抗体と結合するスパイクタンパク質が含まれた試験紙を設計。試験管の溶液に浸せば、抗体はさらに酵素と結合する。
この酵素は特定の分子をグルコースに変換するもの。余分な酵素を洗浄してから分子の含まれた溶液に浸すことで、試験紙には抗体のぶんだけグルコースが生成される。一連の作業を経ることで、グルコースモニターで間接的に抗体が検出可能になるわけだ。
特許出願中の同技術が利用できるようになれば、抗体検査が身近になるに違いない。
- Original:https://techable.jp/archives/138600
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji