凸版印刷は9月30日、I-PEX(旧社名: 第一精工)開発の匂い測定デバイス「noseStick」(ノーズスティック)と、凸版印刷が企画・モデル開発を行う測定アプリケーションを「b8ta Tokyo-Yurakucho」(東京都千代田区有楽町 1-7-1 有楽町電気ビル内1階)において出展すると発表した。展示期間は、10月1日~11月30日の期間限定となっている。
b8ta Tokyo-Yurakuchoでは、実際にnoseStickを使った匂い測定デモを体験可能(noseStickは、現在開発段階で参考出展)。noseStickは、スマホに挿すだけで匂いの計測が可能なデバイスで、I-PEXが匂いセンサーの開発・デバイス提供を行い、凸版印刷がセンサーの販売活動を行うとともに、顧客の匂い課題に対応したAIを開発している。今後は、データベース構築、AIを搭載したアプリケーション開発も進めていくという。
b8ta Tokyo-Yurakuchoにおいて、様々な人がnoseStickに触れ、体験してもらうことで、新たなビジネス用途での活用に向けた協業先を募り、PoC(Proof of Concept/概念実証)を進めていく。両社は今後も「匂いセンサーエコシステム」の実現に向けて、これまで存在しなかった匂いを通じた総合的なサービスの提供を目指す。
noseStickに組み込まれた匂いセンサーは、I-PEXが開発した複数の検知素子が検出する「匂い分子のパターン」を認識・識別可能。
チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電薄膜に異なる感応膜を塗布した検知素子10種類を1枚のセンサーチップ上に搭載。電圧をかけて共振している感応膜に匂い分子を付着させ、共振周波数の変化から数値データを取得、パターンを照合することにより匂いを識別している。
PZTの圧電薄膜を用いたMEMSの活用により小型・低コスト化が見込めるとともに、検知素子の数を増やすことでより多くの匂いを識別可能としている。
凸版印刷によると、食料品の品質・鮮度管理、工場などでの危険臭気検知、呼気や体臭から疾患検知、ホテルや介護施設、自動車内の空間品質管理など、匂いをセンシングすることで解決できる課題は多数ある一方、センサーとアプリケーションを組み合わせたサービスはこれまでなかったという。これを受け、匂いセンサーとAIを組み合わせて顧客の課題を解決する「匂いセンシング事業」を、凸版印刷とI-PEXは2019年より共同で推進している。
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- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/09/30/toppan-i-pex-nosestick/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Takashi Higa