ボストンを拠点とするロボット・ガーデニングのスタートアップであるTertill(未訳記事)は、米国時間9月29日の朝、Helen Greiner(ヘレン・グレイナー)氏をCEO兼会長に任命したことを発表した。グレイナー氏は、iRobot(アイロボット)の共同創設者として広く知られている。1990年にMIT人工知能研究室で一緒だったRodney Brooks(ロドニー・ブルックス)氏、長年iRobotのCEOを務めるColin Angl(コリン・アングル)氏とともに、iRobotを立ち上げた。
グレイナー氏はごく自然にTertillに収まっているように見える。このスタートアップは、2017年、創設間もないころにTechCrunch主催の最初のロボティクスイベントに登場し、Roomba(ルンバ)との直接的な類似性を示した。それは、大人気のiRobotのロボット掃除機によく似た形状のロボットだが、掃除するのはカーペットに散らばったゴミではなく、庭の雑草だ。
Tertill(前Franklin Robotics)の共同創設者たちは、ルンバの発明者に名を連ねるiRobotの初期の従業員でもあった。2017年にKickstarterキャンペーンで現れたこの製品は、基本的にはソーラーパーワーで動く除草機だ。ユーザーの庭で暮らし、定期的に草を刈ってくれる。
グレイナー氏は、ドローンメーカーであるCyPhy Works(サイファイ・ワークス)を創設し、最近までそのCEOを務め、米国陸軍のアドバイザーも務めているが、新しいポジションは体に馴染むとTechCrunchに話している。
「私はユーザーでもあります」と彼女は話す。「Kickstarterで初期の1台を購入しました。庭で使っているので、私がやりたくない仕事をこれが見事に片付けてくれることをよく知っています。私は、より多くのロボットを人々の手に届けられる機会を探していました。まずはすでに商品化され、他のロボットにはできない仕事をすることから熱烈なユーザー基盤を有するTertillのようなロボットから始めます。それは、これまで私が行ってきたことと、人々が欲しがっていたものとの間に相乗効果を生み出す素晴らしい仕事です」。
同社は現在までに、最初のKickstarterで集めた30万ドル(約3170万円)に加え、100万ドル(約1億600万円)の資金を調達している。グレイナー氏が将来の計画や資金調達について語るのは時期尚早だが、同社はTertillを今後の屋外用ロボットソリューションの足がかりとして見ていると話していた。iRobotが提唱してきた、ルンバを中心とした家庭エコシステムから、それほどかけ離れた計画にはならない。
「ルンバは現在、北米の真空掃除機市場の20%を占めています」とグレイナー氏。「私たちがスタートした当時から見れば、驚異的です。しかし、潮が満ちれば、すべてのボートも上がってきます。そこで誰もが考えるでしょうが、別の仕事をするロボットを作らなければいけません。長い目で見れば、そうした思想的リーダーや技術者と一緒にできる仕事や用事は山ほどあります。私たちはTertillに限定しません。あらゆる方面に進出します」。
カテゴリー:ロボティクス
画像クレジット:Image Credits: Brian Heater
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(翻訳:金井哲夫)