欧州連合(EU)がAppleやGoogleなどの主だったテック企業に対し、プレインストールアプリの禁止や、他社とのデータ共有を義務付けるよう検討していることが分かりました。
ライバル企業ともデータを共有すべし
Financial Timesによると、EUは新デジタルサービス法(Digital Services Act)の一環として、AppleやAmazon、Googleといった企業に顧客データを自分たちで独占せず、小さなライバル企業に条件付きで譲り渡すよう義務付けることを検討しているそうです。
現在は法案作成の段階ですが、草稿には「(テック企業は)自分たちの商業活動のために、プラットフォームで収集したデータを使用してはいけない。ただし、同じ商業活動を行うビジネスユーザーもアクセス可能であれば許可する」と厳しい文言が並びます。また、Google PlayやApp Storeのような巨大プラットフォームは“ゲートキーパー(門番)”と表現され、「広告サービス以外の目的で、ゲートキーパーは広告サービス向けのビジネスユーザーから送信されたデータを使ってはいけない」といった制約が課されています。
ユーザーにとってはいい迷惑?
さらに物議を醸しそうなのが、巨大テック企業に対する自社アプリやサービスの優先禁止です。iOSやAndroidには多くのプレインストールアプリが入っていますが、仮に法案がこのまま決定した場合、これらは他企業との健全な競争を妨げるという理由で許可されません。また削除できないプレインストールアプリを設けない、すなわち全てのアプリが削除できるようにすることも草案段階では計画されています。
もちろん、こうした指針が様々な問題をはらんでいることは明白です。まず、AppleやGoogleのビジネスをここまで制限する権利はあるのかということでしょう。いかに巨大なプラットフォームを有しているとはいえ、AppleとEpic Gamesとの裁判で「閉じられたプラットフォームであることは独占を意味しない」との判断が示されたように、巨大テック企業が市場を独占しているかは議論の余地があります。
また、プレインストールアプリを排除することで、公式アプリを優先させないことが、はたしてユーザーの理に適っているのかという問題もあります。デベロッパーにとっては公式アプリと肩を並べることは歓迎ですが、ユーザーにとってすれば、セキュリティが保証された質の高いアプリを好んで使いたいのは言うまでもありません。
Source:Financial Times via MacRumors
(kihachi)
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- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania