例年行われるスイスでの展示発表会は中止になってしまったが、そんななかでも各ブランドとも新モデルは充実。なかでも、給付金を元手に購入を考えたい傑作4モデルを紹介する。
BREITLING
CHRONOMAT B01 42
JAPAN EDITION
名作のディテールを継承しつつ
モダンにアップデートした新たな傑作
長年、ブライトリングの旗艦コレクションに位置付けられてきた「クロノマット」が今年、フルリニューアルして登場した。しかも、古くからのブライトリング・ファンはもちろん、昔を知らない人の琴線をも刺激するディテールを携えて、だ。
特徴のひとつは、一見して目を奪われるルーローブレスレット。筒状のピースを連結させた独創のブレスレットは、デザインのインパクトはもちろん、そのルックスどおりの滑らかで快適な装着感を実現する。
もうひとつがライダータブ。回転ベゼルに設けられた4つの突起で、ガラス面を衝撃から保護するのみならず、グローブを装着したままでもベゼルの操作を容易にするものだ。
そもそも、これらの特徴的ディテールは1984年誕生の初代「クロノマット」で採用されていたもの。当時、イタリア空軍のエアロバティックチーム「フレッチェ・トリコローリ」のためにクロノグラフを開発すべく、パイロットの意見を取り入れて実現したディテールなのだ。
新生「クロノマット」は、こうした往時のディテールを備えつつも、ルックスはモダンにアップデート。なかでも日本限定の「クロノマット B01 42 ジャパンエディション」はシルバー×ブラックのモノトーンでまとめ上げており、エレガントかつスポーティーな佇まいを一層強めた傑作である。
ブライトリング
クロノマット B01 42 ジャパンエディション
97万9000円
一切のアクセントカラーを排し、シルバーとブラックのツートーンでまとめた新生「クロノマット」の日本限定モデル。デザインはもとより、特徴的なルーローブレスレットやライダータブもアップデート。ムーブメントには自社製造のCal.01を搭載し、往時のモデルから使いやすさを大幅に向上している。自動巻き。SSケース、200m防水、ケース径42㎜。
ブライトリング・ジャパン
0120-105-707
https://www.breitling.com/jp-ja/
SEIKO PROSPEX
THE 1975
PROFESSIONAL DIVER’S 600M RE-CREATION
名作ダイバーズの外観はそのままに
大幅なスペックアップを図る
セイコーの新作におけるハイライトとなったのが、セイコーダイバーズの55周年を記念した、セイコー プロスペックスの限定コレクション。その内容は南極観測越冬隊の装備品に採用された1965年のモデルに、日本山岳会の植村直己と松浦輝夫が1970年のエベレスト登頂時に着用した1968年製モデル、そしてISOのダイバーズウォッチ規格に影響を与えた1975年発表のモデルという、過去の名作ダイバーズウォッチ3モデルを復刻したものだ。
なかでも注目なのが“600mダイバー”と呼ばれた1975年モデル「ダイバー・プロフェッショナル」の復刻版。現在ではセイコーダイバーズのアイコンともなっている、外胴プロテクターを採用したデザインはそのままに、素材や性能を格段に向上させたモデルだ。
ベゼル素材には、世界最高レベルの耐食性を持つというエバーブリリアントスチールを採用し、さらに純鉄製のダイアルを備えることで40,000A/mもの耐磁性能を実現。防水性能は1000m飽和潜水用防水を確保した。
今回の復刻に際し、ダイアルと付属の強化シリコン製ストラップはブルーグレーで彩られているが、その色合いはまさに美しい深海を想起させるトーンで、ケース径52.4㎜、ケース厚17.2㎜のマッシブなプロポーションながらも、装着すると実に落ち着いた印象を与えてくれる。
セイコー プロスペックス
1975メカニカルダイバーズ 復刻デザイン SBDX035
49万5000円
600mの飽和潜水用防水を備えていた1975年製ダイバーズウォッチの復刻モデル。プロテクターにはセラミックスを採用し、耐傷性を確保している。手の甲に接触しないよう、ねじ込み式リューズは4時位置に配置。世界限定1100本。自動巻き。チタンケース(エバーブリリアントスチール製ベゼル)、1000m飽和潜水用防水、ケース径52.4㎜。
セイコーウオッチ
0120-061-012
https://www.seikowatches.com/jp-ja
TUDOR
BLACK BAY FIFTY-EIGHT
“NAVY BLUE”
時計製造への妥協なき姿勢が実感できる
伝統的ダイバーズウォッチの新鋭
長年、日本での正規販売が待望され、2018年秋、ついに上陸を果たしたスイス製機械式時計のビッグネーム「チューダー」。その起源は1926年。腕時計のディーラーでありメーカーでもあったヴーヴ ドゥ フィリップ ヒュンターが、ロレックスの創設者ハンス・ウイルスドルフの代理でチューダーを商標登録したことからスタート。その後、1936年のウイルスドルフへの譲渡を機に、本格的な飛躍が始まるのだ。
なかでも象徴的なのが、1954年に発表されたブランド初のダイバーズウォッチ「チューダー オイスター プリンス サブマリーナー Ref.7922」の存在。精度、耐久性、防水性を高次元で実現したこのモデルはプロフェッショナルダイバーの支持を獲得。そして1958年リリースの「Ref.7924」で防水性を200mに高め、チューダーのダイバーズウォッチは海軍にも採用されるほどの高い信頼を得ることになるのだ。
この歴史的モデル「Ref.7924」にオマージュを捧げた新作が「ブラックベイ フィフティ-エイト “ネイビーブルー”」。直径39㎜という小ぶりなケースサイズに加え、ブレスレットレットのしっかりとした作りにより、腕なじみは極めて良好。ブランドの伝統色を範とする、ベゼルとダイアルに用いられたネイビーブルーも、上品さとアクティブな雰囲気を両立させている。一見するとシンプルなダイバーズウォッチだが、だからこそ実際に手にすると、その丁寧な作り込みに驚かされる1本だ。
チューダー
ブラックベイ フィフティ-エイト “ネイビーブルー”
39万9300円
200m防水を実現さえせた「Ref.7924」の登場年にちなんで名付けられた「ブラックベイ フィフティ-エイト」。ベゼルとダイアルには、1969年に初採用されて以来、ブランドの伝統色となったブルーにインスパイアされたネイビーブルーを施し、スポーティーな雰囲気を強めている。自動巻き。SSケース、200m防水、ケース径39㎜。
日本ロレックス / チューダー
03-3216-5671
https://www.tudorwatch.com/ja
ZENITH
EL PRIMERO A384 REVIVAL
時計愛好家でなくとも魅了される
レトロフューチャーな佇まい
ゼニスの創業は1865年。若干22歳だったジョルジュ・ファーブル=ジャコによってスイスのル・ロックルで起ち上げられた時計メーカーで、このときすでに、時計の開発から製造までを一貫して行う“マニュファクチュール”を構築していたという。
そんなゼニスの150年以上の歴史における最大のトピックが、1969年に発表された「エル・プリメロ」。毎時36,000回という振動数を実現した世界初の自動巻きクロノグラフ・ムーブメントで、1/10秒単位の計測に加え、安定した精度を実現した画期的なものだ。
2019年、このエル・プリメロ誕生50周年を祝して、同キャリバーを搭載した最初のクロノグラフウォッチ「A384」を復刻。時計愛好家の注目を集めたが、続く今年はこのモデルに“ラダー”ブレスレットを採用した「エル・プリメロ A384 リバイバル」を発表したのだ。これは、1969年のオリジナルモデルで使用されていたゲイ・フレアー社製のブレスレットで、特徴は中駒の一部をオープンワークにした独創的なデザイン。ホワイトダイアルにブラックのインダイアルを組み合わせたパンダダイアルや、いかにも1960年代的なクッション型のケースと融合することで、レトロフューチャーな雰囲気を放っている。
ルックスこそクラシカルだが、その装着感は快適のひと言。可動域の広いブレスレットは手首に滑らかにフィットし、クリエイションの高さを高さを感じさせてくれる。
ゼニス
エル・プリメロ A384 リバイバル
96万8000円
オリジナルの「A384」と同じく“ラダー”ブレスレットをを採用した待望の復刻モデル。ムーブメントには毎時36,000回の振動数と50時間以上のパワーリザーブを誇るエル・プリメロ400を搭載。ダイアルはホワイトラッカーで仕上げられ、クッション型のケースと相まってヴィンテージな佇まいに。自動巻き。SSケース、5気圧防水、ケース径37㎜。
ゼニス ブティック銀座
03-3575-5861
https://www.zenith-watches.com/ja_jp
- Original:https://www.digimonostation.jp/0000130015/
- Source:デジモノステーション
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