ユーザーがフォローしている人がおすすめしている商品を発見し、購入できるアプリPickerが、130万ユーロ(約1億6000万円)のシード資金を獲得した。このバルセロナのスタートアップを支援したのは、ベルリンのBtovだ。同社が調達した資金はこれで200万ユーロ(約2億5000万円)になるが、多くは様々なエンジェル投資家からのものとなる。
Daniel Ramos(ダニエル・ラモス)氏とConan Moriarty(コナン・モリアーティ)氏、Enric Gabarró(エンリク・ガバロ)氏が2018年に創業したPickerは、インフルエンサーや友だちやPickerのコミュニティからの推薦に基づいて商品を発見、購入できるマーケットプレースを提供する。iOS、Androidアプリは現在、スペインとドイツ、オーストリア、スイスで利用できる。
以前、Zalandoに在籍しインフルエンサーマーケティングの経験があるCEOのエンリク・ガバロ氏は、「現在、オンラインでの買い物はひどい状況にあり、良い商品がゴミ山の下に隠れている。大手のオンラインショップでカメラを検索すると、20万件以上の結果が出る。その中のどれが良いのか、それを知る方法はありません。レビューは匿名であり、誰もあなたのことを知りません。いつも言っていますが、Pickerはあなたが、あなたのためのベストな商品を見つけるための方法です。1人の信頼できる人の意見は、500件のレビューに優るものだからです」と主張する。
さらに広く言えば、ガバロ氏は友人、家族、コミュニティとそれらを共有し「優れた商品を強化」することがお金を節約し、環境にも貢献する最善の方法であり、それと同時に「信頼できる良いメーカーを支援し、愛する人たちを支援する」ことになると信じている。同社のキャッチフレーズは「stop buying more, buy better(たくさん買うな、上手に買え)」だ。
とはいえ、Pickerのユーザーはかなりの量の買い物をしているようで、同社は2020年に全世界での売り上げが200万ユーロ(約2億5000万円)に達成する予定であることを明らかにしている。さらに他の国でのローンチも準備中だ。
同社はさまざまなブランドやeコマースサイト、マーケットプレース、リセラーと提携し、個々の売上に対してマージンを得ているため、初期から黒字だガバロ氏はいう。またガバロ氏によれば、Picker上でキャンペーンを行いたいブランドもあるというが、まだテスト段階とのことだ。
「私たちのメインの顧客は25歳以上の女性で、ファッションやメイク、そして子供の物に関心がある。またスタートアップ関連の本やガーデニング、ウィスキー、庭仕事用の工具など、ニッチなカテゴリーもある。セックストイなんかもあるね」とガバロ氏はいう。隔離生活の間、スペインではセックストイの売り上げが増え、、ドイツではDIY用品が売れたという。パンデミックでネットショップが忙しくなったといっても、売れ筋は多様だ。
アジアにはPinduoduoという競合他社があるが、こちらはディスカウントにフォーカスしている。またヨーロッパには小さな競合他社が多い。そしてもちろんInstagramとPinterestも強敵だ。
「ソーシャルメディアは広告の視聴時間が主な収益源だったが、広告ではなく誰かの購入を収入源とするまったく新しいやり方もある。私たちは100%ユーザーの側に立ち、本当に買いたい、あるいはシェアしたい製品を見つけてもらいたいと考えている。ユーザーが、自分に一番合った商品を早く見つけて欲しいが、私たちのプラットフォームで長時間過ごすだけの状態にはなって欲しくない。ソーシャルを利用して商品を発見できるプラットフォームは、強力な差別化要因だと思う」とPickerのCEOは述べている。
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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Picker、eコマース、ソーシャルコマース
画像クレジット: Picker
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/10/07/2020-10-06-picker/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Steve O'Hear