スポーツコーチにとって、選手一人ひとりを育成することは重要だが、紙やエクセルでの個別管理は容易ではないのが現実だ。また、選手が1日の練習や試合を振り返り自ら改善策を模索することは、選手の成長ひいてはチームの強化につながるが、振り返る習慣はなかなか身につかないものだという。
そこで、Aruga株式会社(旧シェアトレ)は、選手一人ひとりのPDCAの実行、コーチからのフィードバックによる個別育成、コンディションチェックをサポートするサービス「Aruga(アルガ)」を開発。α版を提供したユーザーからのフィードバックをもとにアップデートを重ね、このたび正式版の提供を開始した。
なお、昨年度α版を導入した立教大学女子ラクロス部は初のインカレ優勝を果たしている。
パーソナライズされたPDCA
同サービスの特徴のひとつは、選手がLINEから手軽に利用できるということ。コーチは専用アプリかPCで利用可能だ。
利用フローとしては、まず練習前の選手がライン上のチャットボットと「その日の目標設定」を行う。練習後、チャットボットが自動で選手に質問を送り「今日上手くいったこと」「次に改善すべき点」などの振り返りをサポート。なお、リマインドも自動で行われるため、コーチの負担はないという。
コーチは、選手が入力した振り返りを任意のタイミングでアプリやPCから閲覧し、個別にフィードバックを送るという流れだ。
また、コロナ対策にも一役買いそうなコンディショニング機能もポイント。「体調」「食欲」「疲労」「体温」など選手の体調把握が可能な機能で、チームによって質問を変えられるため、競技ごとに気をつけたい項目を追加するのもいいだろう。体調データはコーチのPC画面に集約されるとのこと。
幅広いチームに対応!
同サービスを利用することでコーチの練習ノートなどの管理負担が86%軽減されるという。また、選手は1日3分程度の利用ですむことなどから94%という高い継続率を実現している。
現在すでに立教大学女子ラクロス部のほか、筑波大学蹴球部やICU(国際基督教大学)バスケチーム、オムロン女子ハンドボール部、J2水戸ホーリーホックトップチームなど幅広い年代層のチームに導入済みだ。対応種目はサッカー、ラグビー、ハンドボール、ラクロスなど7種類以上。
今後はチャットボット内にAIを搭載し、よりパーソナライズされた育成ツールへと進化する予定だという。同サービスに対し、元オリンピック代表選手の為末大氏や元サッカー日本代表の岩政大樹氏が応援を表明(為末氏は出資者)。今後の成長が楽しみなサービスのひとつといえるだろう。
- Original:https://techable.jp/archives/139127
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口