【#家電最前線】
英ダイソンが同社史上最軽量となるコードレススティック掃除機「Dyson Micro 1.5kg」を発表した。標準質量(本体、延長パイプ、ヘッドの合計質量)が約1.5kgで、本体の重さは約970gという軽さが大きな特徴だ。
標準質量で1.5kgを切る軽量コードレススティック掃除機はシャープの「RACTIVEAir」シリーズ、日立グローバルライフソリューションズの「ラクかるスティック」シリーズ、アイリスオーヤマの極細軽量スティッククリーナーなどがしのぎを削っている。ダイソンは6月に標準質量約1.9kgの新型「Dyson Digital Slim」を投入したが、さらに軽量化したモデルを投入することで軽量モデルの市場も一気にたたみかける狙いだ。
■プッシュボタン式になった電源のオン・オフ
ラインアップは「Dyson Micro 1.5kg」と、直営店限定モデルの「Dyson Micro 1.5kg Pro」の2モデル。付属ツールは「Dyson Micro 1.5kg」がミニモーターヘッド、卓上ツール、コンビネーション隙間ノズル、ツールクリップ、収納用ブラケットで、「Dyson Micro 1.5kg Pro」はさらに置くだけで充電できる専用充電ドックと、暗い場所を照らしながら掃除できるLED隙間ノズルが付属する。
オンライン発表会に登壇した空調家電とAirblade製品のモニタリングを担当するジェームズ・シェール氏は、「日本のユーザーは日常使いの軽量掃除機を求めており、そうした環境のために作られたダイソンで最も軽量な掃除機だ」と語った。
小型で高効率な「Dyson Hyperdymiumモーター」に加えて、従来の「Fluffyクリーナーヘッド」を約45%小型化した新「Micro Fluffyクリーナーヘッド」の採用などによって小型軽量化を実現している。
「ダイソンは軽いだけに甘んじることはない。競合他社の軽量スティック掃除機と比較しても、より多くのホコリを捕集できる。0.3μmの微細なホコリを99.99%閉じ込めるテクノロジーを採用しており、部屋の空気よりもきれいな空気を排出する」(シェール氏)
ダイソンのコードレススティック掃除機はトリガーを引いている間だけ掃除できるスタイルをこれまで採用してきたが、Dyson Micro 1.5kgシリーズはボタン式を採用。電源ボタンのオン・オフで掃除ができ、MAXボタンを押すと強モードになるスタイルになっている。掃除をしている間、ずっとトリガーを引き続けるスタイルが好きではないという人にはうれしい変更ポイントだろう。
バッテリーは約3.5時間の充電でエコモードの場合は約18分(非モーター駆動ツールの場合は約20分)、強モードで約5分(同5分)の連続清掃が可能。バッテリー残量は2つのLEDで確認できるようになっている。
発表会では他社の軽量コードレススティック掃除機の本体と、手にかかる重さの違いを見せるデモを行った。
■標準コードレススティックだけでなく、軽量モデルも競争激化の予感
GfKジャパンの調べによると、国内の掃除機出荷台数は2018年にコードレススティック掃除機がキャニスター掃除機を上回り、注目度が年々高まっている。「吸引力が変わらない掃除機」のキャッチフレーズでシェア1位を取る“王者”ダイソンに対し、パナソニックは毛がからまないヘッドと吸引力、日立は吸引力とアタッチメントの豊富さ、シャープは軽さと充電のしやすさ、三菱電機は充電ドックとの一体化デザインや他社にないブロワー(空気で掃き出す)機能など、さまざまな形で特色を出してきた。
コードレススティック掃除機が普及するにつれて、「とにかく軽い掃除機が欲しい」というニーズが高まる中で注目が集まっているのが、軽量コードレススティック掃除機だ。
Dyson Micro 1.5kgの発売によって、同社の最新コードレススティック掃除機のラインアップは最もパワフルな最上位モデルの「Dyson V11」(Fluffyクリーナーヘッド装着時の標準質量は約2.76kg)、軽量でパワフルな「Dyson Digital Slim」(同約1.9kg)、今回の「Dyson Micro 1.5kg」(同約1.5kg)の3シリーズ展開となる。軽量モデルにまで製品ラインアップを広げてきた。
軽量化と吸引力やバッテリー駆動時間の長さはトレードオフの関係ではあるものの、比較的狭い日本の家庭には十分マッチするという考え方もある。ダイソンの参入によって、パワフル吸引の標準コードレススティック掃除機だけでなく、軽量コードレススティック掃除機市場も活気を帯びることになりそうだ。
>> ダイソン
<取材・文/安蔵靖志>
安蔵靖志|IT・家電ジャーナリスト 一般財団法人家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー、スマートマスター。AllAbout家電ガイド。ITや家電に関する記事執筆のほか、家電の専門家としてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。Facebookはこちら
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- Original:https://www.goodspress.jp/news/328055/
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