第72回テクノロジー&エンジニアリング・エミー賞(技術・工学エミー賞)が発表され、Appleが独自開発した映像圧縮技術(コーデック)「Apple ProRes」が受賞しました。
高い圧縮技術と使い勝手の良さを評価
Appleが今回獲得したエミー賞は「テクノロジー&エンジニアリング・エミー賞」と呼ばれるもので、米国内の放送番組に貢献した優れた技術に与えられる賞です。
対象となったAppleの技術は、Apple ProResと呼ばれるコーデック(映像圧縮技術)です。一般的に映像を圧縮(容量を小さくする)すればするほど画質が落ちる傾向にあり、いかに高圧縮と高画質を両立できるか、つまり非圧縮にどれだけ近づけられるかがコーデックには求められる性能です。
ProResは何種類か存在しますが、Apple ProRes 422 HQ以上のフォーマットは非圧縮とほぼ遜色ない画質を再現できるため、映像編集会社(ポストプロダクション)を中心に中間コーデック(業者がデータを編集時に効率よく扱うためのコーデック)として好んで用いられてきました。
H.264に代表されるエンドユーザー向けのコーデックと比べると容量は大きいものの、編集ソフトでは画質の割に動作が軽く、効率よく編集できるのが特徴です。Appleが2020年にWindows向けのベータソフトウェアをリリースしたことで、Mac以外のコンピュータでもAdobeでProRes RAWファイルを利用することが可能となりました。
ちなみにAppleは、過去にApple TVやFinal Cut Proでもテクノロジー&エンジニアリング・エミー賞を受賞しています。
2020年はその他のエミー賞も受賞
Appleが今回受賞したのは第72回テクノロジー&エンジニアリング・エミー賞ですが、それ以外にも今年はデイタイム・エミー賞(「ゴーストライター」「スヌーピー 宇宙への道:アポロ10号の秘密」)とプライムタイム・エミー賞(「ザ・モーニングショー」)で賞を獲得しています。
一般的にエミー賞と呼ばれるのはプライムタイム・エミー賞で、今年はNetflixが史上最多の160ノミネートを記録しました。アカデミー賞やゴールデングローブ賞といった“賞レース”に邁進しているとされるAppleも、将来的にはこちらのエミー賞でも更なる存在感を発揮したいところです。
Source:Apple
(kihachi)
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- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania