パスワードが分からなくともスマートフォンのロック解除できるツールを政府当局や捜査機関に提供しているCellebriteが、中国本土や香港での販売を終了すると発表しました。
ロック解除ツールは思想弾圧にも繋がる
イスラエルのCellebriteが提供しているツールは、現在すべてのiPhoneをロック解除できるとされています。
ユーザープライバシー尊重を掲げるAppleはロック解除に応じていないため、FBIを始めとした世界各国の政府当局がこぞって採用してきました。今年に入ってからも、元ニューヨーク市長のルドルフ・ジュリアーニ氏への違法献金疑惑で逮捕されたレフ・パルナス被告から押収したiPhone11に、Cellebriteのロック解除ツールが使われたことが発覚しています。
しかし、このロック解除ツールが必ずしも普遍的な正義に適った理念で使われるとは限りません。例えば、雨傘運動や香港民主デモの中心的存在であるジョシュア・ウォン(黃之鋒)氏のiPhoneは、香港警察によって押収され、Cellebriteのツールによってロックが解除されたと言われています。また、新疆ウイグル自治区やキルギスタンとの国境でも、イスラーム系民族や旅行者が所有するスマートフォンの強制スキャンが行われているようです。
米政府の規制が影響
こうした事情と米政府の規制が重なり、Cellebriteは7日、香港や中国本土の消費者に対してサービスの販売をただちに終了すると発表しました。
同社は声明で「犯罪捜査や民事訴訟におけるデジタル証拠を合法的に取得するための解決法を提供することによって、法執行機関や企業が我々のコミュニティをより安全なものにすることを支援する」としながらも、「承認された国際ルールや規制に沿って業務を遂行するために、コンプライアンス方針を定期的に見直し、アップデートしていく」と述べています。
Source:Cellebrite,蘋果日報
(kihachi)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-319228/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania