日本時間の2020年10月14日にAppleからiPhone12シリーズが発表されました。今回は史上最多の4機種が一斉に発表されましたが、その全ての機種が「QZSS(Quasi-Zenith Satellite System)」に対応しています。
iPhone12シリーズが日本版GPSに対応!
「QZSS」とは、準天頂衛星システム「みちびき」のことで、日本版GPSともよばれる衛星測位システムです。衛星測位システムとは、衛星からの電波で位置情報を計算するシステムのことです。
これまで、iPhone11/iPhone11 Proシリーズでは、GPS/GNSSを内蔵していましたが、「みちびき」には非対応でした。今回、発表されたiPhone12シリーズは4機種とも、GPSのほかに、「GLONASS」「Galileo」「QZSS」「BeiDou」に対応しており、みちびきに対応していることが判明しています。
日本版GPS「みちびき」とは?
みちびきは、2018年11月1日にサービスを開始しました。現在は、4機体制で運用していますが、将来的には7機体制での運用を目指しています。
みちびきでは、GPSを補完する「衛星測位サービス」と呼ばれるものと「サブメータ級測位補強サービス」「センチメータ級測位補強サービス」と呼ばれる2つの補強サービスを提供しています。衛星測位サービスはGPSと同等の誤差ですが、サブメータ級測位補強サービスは誤差1〜2メートルであり、センチメータ級測位補強サービスはその名のとおり、静止体で誤差6〜12センチ、移動体でも誤差12〜24センチの精度となっています。
対応したスマホで位置精度は数センチになるの?
では、みちびきに対応した、iPhone12シリーズは高い位置精度で利用することができるのでしょうか。残念ながら、現在、みちびきに対応したスマートフォンで利用されているのは、衛星測位サービスのみであり、誤差数センチの高い位置精度を享受することはできません。先述の2つの補強サービスを利用するには対応の受信機が必要です。
iPhone12シリーズにおいて、みちびきのサービスがどこまで対応するのかは未だ不明ですが、仮に衛星測位サービスのみの対応であっても、位置情報の安定的な取得に貢献します。これは、みちびきが天頂付近に長時間留まるため、ビルの谷間や山間部などでは、GPSのみを利用するよりも位置情報が安定的に得られるからです。
結論としては、国内での利用を想定した場合、ビルの谷間や山間部などでの位置精度の向上が見込まれます。いまや地図としても大きな役割を果たすiPhoneですから、自分の位置が正確にわかる方がよいでしょう。同時に、位置情報を用いた数多あるサービスの向上にも寄与しそうです。
Source:内閣府 宇宙開発戦略推進事務局(1), (2)
Photo:いらすとや
(藤田尚眞)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-320476/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania