使用時重量500g切りの軽量・コンパクトミラーレス一眼登場
オリンパス
OM-D E-M10 Mark IV
実勢価格:[ボディのみ]9万6800円/
[EZダブルズームキット]12万9800円
人気の本格派ミラーレス一眼カメラ「OM-D」シリーズのエントリーライン「E-M10」の4代目。その最大の変更点は背面チルトモニタが下方向に180度回転するようになり自撮りしやすくなったこと。その上で有効画素数をはじめ、基本機能が全面的に強化されている。本体カラーリングは写真のシルバーのほか、ブラックも用意。
中堅ユーザーも満足の優れた基本スペック
レンズマウントはマイクロフォーサーズマウント。撮像素子は先代モデル(有効約1605万画素)から一新され、有効約2030万画素の4/3型Live MOSセンサーとなった。
オリンパス自慢の強力なボディ内5軸手ぶれ補正機構は健在。アルゴリズムなどが見直されたことによって、従来よりも優秀な、4.5段分の補正効果を得られるように。
グリップ形状も見直され、よりしっかりと本体をホールドできるように。多少大きなレンズを装着しても、これまで通りの片手撮影が可能だ。
「OM-D」のアイデンティティの1つでもある電子ビューファインダーも搭載。約236万ドットと高精細表示で、しっかりと細部まで確認できる。
もちろん今どき風の使い方にもしっかり対応
新機構を採用し、上方向80度、下方向180度回転するようになった新チルトモニタ。モニタを下に開くと、自動的に「自分撮りモード」に切り替わる。また、この際、ちょうど指が当たるところに新たにグリップが追加された。
側面USBポートを利用した、モバイルバッテリーからのUSB充電に対応(電源OFF時のみ)。いざと言う時にとても便利だが、USBポートがmicroUSB端子なのが少々残念。ここは最新のUSB Type-C端子であってほしかった。
Bluetooth常時接続に対応したことで、スマホ連携がより便利に。バッグの中にカメラを入れたままでも、スマホ側からの操作で撮影写真を確認したり、転送したりできる。
美画質が撮影する喜びを喚起
EZダブルズームキット付属の『M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ』で撮影。手軽に独創的な雰囲気を付与できるアートフィルター機能に追加された「ネオノスタルジー」を試してみた。適用前(写真右)と比べて、明るい部分がピンク寄りに、暗い部分がグリーン寄りに加工され、その名の通りノスタルジックなイメージにまとめてくれる。古いインスタントカメラで撮ったかのような懐かしさを楽しもう。
EZダブルズームキットに付属するもう1本のレンズ『M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 R』は、コンパクトでありながらf=300mm相当までの望遠撮影が可能なズームレンズ。昨今、SNSなどで話題になった圧縮効果を活かした“密(っぽく見える)”な写真もこの通り。なお、本レンズを装着した場合の合計重量は、約573g(レンズ単体重量:約190g)。携帯性は全く損なわれない。
手に持った瞬間「軽ッ!!」と驚くスーパーライトウェイトモデル
近年、ミラーレスカメラの大型化が止まらない。そもそも人気のフルサイズセンサー搭載機は総じてレンズが巨大なので、がんばって本体サイズを小さくしてもそこまで大きな恩恵はない(むしろセットとしてのバランスが悪化する)。結果として、ミラーレスカメラのメリットの1つとされていたフットワークの良さは過去のものになりつつある。
そんな中、マイクロフォーサーズシステムによる圧倒的な機動力を武器に支持されているのがオリンパスの「OM-D」シリーズ。特に今回紹介する『OLYMPUS OM-D E-M10 Mark IV』はシリーズ屈指の小型・軽量ボディを実現しており、キットの標準ズームレンズを装着した状態でも約476gという驚くべき軽量化に成功している。500mlペットボトルよりもはるかに軽いと言えば、その凄さが伝わるだろうか。お世辞抜きにコンパクトカメラ感覚で持ち歩ける。
製品の位置付けとしてはエントリーモデルという扱いなのだが、有効画素数やボディ内5軸手ぶれ補正機構の効果、撮影機能などがしっかり強化されており、実用面での物足りなさは全く感じさせない。加えて、自撮り機能やより快適なスマホ連携、モバイルバッテリーからの充電対応など、イマドキな機能もしっかり搭載。質実剛健にもカジュアルにも使える懐の広い製品になっている。同社の人気シリーズ「PEN」からの乗り換えにもピッタリだろう。ファインダー撮影入門機としてもオススメだ。
筆者が実際に試用してみて感じたのは、先代モデル(『E-M10 Mark III』)と比べてAF性能が大きく向上していること。これまでは苦手としていた動き回る被写体もしっかり捉えてくれるようになったのはうれしい。また、先代モデルでは非対応だった静音連写にも対応、運動会や学芸会などで悪目立ちすることなく最高の一瞬を捉えられるようになった。
ただし、上位機『E-M5 Mark III』との価格差はわずか約2万円。より高度な撮影機能を求めるか、フットワークの良さを取るか、なかなかに悩ましいところだが、スマホカメラ感覚で毎日持ち歩きたいという人には本機が一押しだ。
test : 山下達也(ジアスワークス)
photo : 松浦文生
山下達也(ジアスワークス)
カメラを始め、PC、A&V機器など幅広いジャンルのデジタルグッズ記事を執筆する雑食系ライター。今回は配布が間に合わずレビューできませんでしたが、Webカメラとしての『ZV-1』にも可能性を感じています。
- Original:https://www.digimonostation.jp/0000130586/
- Source:デジモノステーション
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