米国時間10月15日、ソニーは5000ドル(約52万6000円)の3Dディスプレイを発表した。しかし、おそらくこれは一般ユーザー向けではない。主に消費者向け製品で知られている同社だが、このSpatial Reality Display(空間現実ディスプレイ)はクリエイティブのプロがターゲットだ。例を挙げると、コンピューターグラフィクスや映画の視覚効果の分野だろう。要するに「アーティストが自分の3D作品をVRヘッドセットを着けなくても見られる」という製品だ。
相当ニッチな層に向けたこの種の技術を提供するのは、同社だけでなない。この分野でこれまで一番よく知られていたのは、おそらくLooking Glassのディスプレイだ。でも今回のソニーの製品は8Kの大型スクリーンではなく、一人のユーザーが使用する。つまり、デスクトップPCのディスプレイとしてということ。それにまたフォルムが、これはAmazon Echo Showに似ている。
ソニーは「高度にリアリスティックな仮想環境」だと説明する。同社はこの技術の初期のバージョンを今年のCESで披露した。そのときは近く封切られる「ゴーストバスターズ/アフターライフ」に登場する幽霊退治用の機材を載せた専用車Ecto-1(エクトワン)が描画された。そのときプレスには完成バージョンのデモを見せると説明したが、新型コロナウィルスの感染拡大の影響でカンファレンスの案内だけになった。そのため、この記事を書いていても3D画像技術の能力について言えることはないのだ(編集部注:映画の公開は米国で2021年3月5日に延期された)
この技術は、前述の映画「ゴーストバスターズ/アフターライフ」でCG効果の開発に使用されたソニー・ピクチャーズにも相談していた。また、Volkswagen(フォルクスワーゲン)もプロジェクトの初期段階から参画しており、アイデアやデザインのプロセスでの活用も視野に入れている。
このディスプレイの一般発売は来月に予定されている。
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カテゴリー:ハードウェア
タグ:ソニー、ディスプレイ
画像クレジット: Sony
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)