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ペンシルベニア州立大はAIで火山を監視する!

レーダー衛星は、リモートセンシングにより地表面の動きを、ほぼリアルタイムで検出できる。観測データは火山活動や地震の予測に役立つものだが、現時点では大気が邪魔して誤差が大きいようだ。

こうしたことから、ペンシルバニア州立大学の研究チームは、AIを用いて観測データのノイズを除去する手法を開発した。

同手法は、ハワイのマウナロアのような火山の監視に役立つ可能性がある。

低コストで安全、広範囲にデータが収集できる

火山の地表面の形は絶えず変化している。その変化は肉眼では捉えられないほどのものだが、常時観測することで地下のマグマの動きが予測できるようだ。

従来の観測手法にはいずれも制限があり、例えば、傾斜計などの地上局を用いた観測では、設置や保守にコストがかかる。また、観測できる範囲が限られていて、そもそも周辺の噴火や地震による故障のリスクもあるだろう。

一方、レーダー衛星による観測なら低コストで安全、広範囲に、必要なデータが収集できる。ただ、リモートセンシングデータは大気を通過することから、水蒸気や雲の状態に影響を受けるとのデメリットがあった。そこで研究チームは、AIによるノイズ除去を思いついたという。

AIでノイズの紛れたデータを穴埋め

研究チームが開発したAI手法は、大気の状態よってノイズの紛れたデータの穴埋めをする。その後、データから正確な画像が作成できる。

同手法を使用することで、活火山や地震帯、断層のある地域の観測データから、噴火や地震の前兆となる変化が見つけられる可能性もあるという。

今後研究チームは、アルゴリズムの改良と追加を検討しており、地表面変形の発生源を特定できるような仕様を目指す。

参照元:Deep learning artificial intelligence keeps an eye on volcano movements/ Penn State News

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