「禅の魂、木鶏子夜に鳴く」薄型・軽量の新ZenBook、登場
ASUS
ZenBook 14
UM425IA
実勢価格:14万4800円
向かって右側の側面には、USB 3.0 Type-A、MicroSD Slotを備える。USB Type-Cだけではなく、Type-Aがあるのはうれしいポイント。まだまだ使用頻度は高い。
左側面には、USB 3.1 Type-Cをふたつ。どちらも映像出力のDisplayPort オルタネートモード、急速充電のUSB PD対応だ。また、HDMI出力も備える。
インカメラは92万画素。顔認証「Windows Hello」にも対応している。スピーカーはHarman/Kardon製。サイドにふたつ、底面にもふたつあり、迫力あるサウンドが楽しめる。
ディスプレイは14型ワイドTFTカラー液晶(ノングレア)。解像度1,920×1,080。ベゼル幅が狭く、作業スペースを広々と感じることができる。タッチパネルは非搭載。
89キー日本語キーボード (イルミネートキーボード)搭載。バックライト効果で暗い場所でもキーボードがよく見える。キーの間隔は、前のモデルよりも余裕を持たせたつくり。
マルチタッチ仕様のタッチパッド。幅広いエリアは操作性も良好で、ジェスチャーも難なく使える。指紋認証機能は非搭載。
ブランド名の由来は
「禅の心が生み出す想像力」。ZenBookシリーズは仏教の教え、禅からインスパイアされて誕生した。ASUSがある台湾には数多くの禅寺があり、禅の思想はとても身近な存在。なお、欧米でも禅をZenと呼ぶことから、グローバルな存在でもある。
質実剛健、ここに極めり
2011年より続く同社のプレミアムノートPCシリーズ、「ZenBook」。高級感あふれるアルミニウム筐体、側面のダイヤモンド加工、同心円状のヘアラインデザインは今作も健在。仏教の教え“禅”をモチーフとするシリーズだけあって、毎年新しいモデルが出る度に、同社のストイックなまでの技術の追求、革新的な進歩、飽くなき探究心に驚かされる。
今回新たに加わった「ZenBook 14 UM425IA」は、重さ1.25kg、薄さ14.3mmという非常にスリムなボディーに仕上がっている。それでいて耐衝撃性能も抜かりなし。米国国防総省が定めるミルスペック「MIL-STD810G」準拠の堅牢性を備えるのだから持ち運びにも安心だ。
実際にパソコンを開いたとき、パッと目に入るのが画面の広さ。14型ディスプレイは画面占有率90%という狭額縁仕様だけあって、とても広々と感じる。画面はチラつくことなく視認性も良好。長時間の使用でも疲れることはなかった(実際にこの原稿を書きながら体感している)。
キーピッチは19.05mm、キーストロークは約1.4mmと、前モデルよりも大型化。資料を作ったり、長い文章を書くような場合でもストレスを感じることは少ない。キーボードは好みによるところが大きいが、心地よい打鍵感は広く受け入れられるだろう。なお、Enterキーの右側にHome、PgUp、PgDn、Endなどのキーが配置されているのは海外製パソコンでよくある話。慣れないとタイプミスしてしまうが、「Change Key」などのフリーソフトで無効化できる。Enterキーが大きいのは日本のユーザーにとってうれしいポイントだ。
今回の新型モデルで目玉となるのが、CPUにAMD製APU「AMD Ryzen 7 4700U Mobile Processors with Radeon Graphics」を搭載していること。8コア8スレッド、ベース稼働クロック2.0GHz、最大稼働クロック4.1GHzは、RAW現像や動画編集の書き出しで確かなパフォーマンスを発揮してくれる。デジタル一眼レフカメラの性能が上がり、YouTube等の動画サイトへの投稿も手軽になってきた昨今、カメラやレンズを新しくしてもパソコンは二の次と思っている人も少なくない「Adobe Photoshop Lightroom」や「Adobe Premire Pro」で作業する度にパソコンが唸りを上げ、書き出しに延々と時間をかけていては本末転倒。カメラと同じぐらいパソコンの性能も大事なことを、ZenBook 14 UM425IAは気づかせてくれる。
AMD Ryzen 7 4700Uは省電力なのも売り。ZenBook 14 UM425IAでは駆動時間、約21時間を公称値としている。設定や使用状況にもよるが、自宅や外出先で、日中パソコンを使用しても、バッテリー残量は気にならないレベル。よほど負荷をかけない限り、スタミナは十分と言えるだろう。
今回、本誌での記事用に長期間ZenBook 14 UM425IAを使用したのだが、筆者は元々「ZenBook UX303L」ユーザー。2014年に外出先で動画編集するために購入し、長く相棒としてタフな使用に耐えてくれた。現在では使わなくなったが、今回の最新モデルを触れるにあたって、ひさしぶりに電源をオンにした。新旧どちらのZen Bookとも、その時代にあったパフォーマンスを発揮してくれる。ZenBook 14 UM425IAは旧モデルユーザーからみて、「もう一度ZenBookを」そう感じさせてくれるモデルだ。
「ZenBookを使い続けて」
今回の最新モデル、外観上の大きな変化に気づいた人はよほどのASUS通。天板にあるASUSのロゴは、これまでは中央だったのに対し、今回は少し横にずれている。それに合わせて、同心円状のヘアラインデザインも移動しているのだから、旧ユーザーからしてみたら大きな変化だ。また、カラーもパイングレーへと変更。シリーズ通して一体感を持たせながらも、新しいデザインを取り入れているのは、ユーザーとしてうれしい。
text : 早坂英之
photo : 下城英悟(GREEN HOUSE)
早坂英之
モノレビュー誌「MONOQLO」「家電批評」の副編集長、副部長職を経て独立。現在は趣味のアウトドアとデジタルガジェットを両軸として、各種雑誌やWebメディアで執筆する。2018年より米国Kickstarter Expert(公式)としても活動。
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- Source:デジモノステーション
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