心拍数や血糖値などが測定できるウェアラブルセンサーのおかげで、24時間の健康状態モニタリングが手軽になった。センサーによる連続モニタリング時間は長くなったものの、まだ定期的な充電は必要だ。また、バッテリーがかさばるという課題もある。
こうしたことから、カリフォルニア工科大学の研究チームは、装着した人の動きをセンサーの動力源にできる技術を開発した。同技術では、シンプルな方法で運動電力を収集/蓄積して利用する。
摩擦で発生した電気を利用
研究チームは以前、汗に含まれる健康指標をモニタリングするセンサーの電力を汗自体から得る技術を開発している。
新しく開発した方法は、静電気を発生させるのとよく似ている。腕の内側と胴にポリイミドおよび銅のシートを装着。人が腕を動かした際にシート同士が擦れて、摩擦電気を生成する。
同システムは「ナノ発電機」とも呼ばれ、これ自体は特に目新しい技術ではない。
安価で一般的な材料から作れる
研究チームによる発明は、ナノ発電機を安価で耐久性のある材料を用いたこと。材料は市販のもので、量産につなげやすいとの利点がある。
また、このセンサーは電力要件が低く、ナノ発電機から得た微弱な電力でも十分機能する点も、実用面で有利だ。ナノ発電機が40Wの電球に電力供給するには100m2のプレートが必要とのことだが、蓄積された電力を利用する同センサーなら、座りがちな人に装着しても生体データ収集およびBluetoothを介したデータ送信が可能となっている。
研究チームは最終的に、汗や太陽光による発電と併せて機能するウェアラブルセンサーを開発し、安定したセンシングにつなげる意向だ。
参照元:New Device Powers Wearable Sensors Through Human Motion/ Caltech Logo
- Original:https://techable.jp/archives/139918
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji