Adobe(アドビ)は、米国時間10月20日に開催されたMAXカンファレンスでフォトグラファー必携の写真編集ツール、Lightroomをリニューアルを発表した。新機能のハイライトはカラーグレーディングツール(Adobeブログ)だ。これはAdobe PremiereやBlack MagicのDaVinci Resolveといったビデオ編集ツールの色彩調整ツールに近い。また、著作権管理のための画像透かしなどの機能も追加。クラウド版のLightroomには複数の編集結果の自動保存機能が登場している(デスクトップ版のClassicではサポートされない)。
アドビは、このカラーグレーディング機能を2020年9月からテストしていた。色調調整は写真編集のメインとなる機能の1つだ。多くのフォトグラファーの利用する人気ソフトに重要な変更を加えるアップグレードだけに、慎重を期したのだろう。
簡単にいえば、新機能は従来の明暗別色補正(Split Toning)を強化し、3種類のカラーホイールに置き換えるものだ。
アドビのMax Wendt(マックス・ウェント)氏は本日のバーチャルイベントで「カラーグレーディングは、従来の明暗別色補正の大幅な強化です。これまでできたことはもちろん、すべてできます。既存の明暗別色補正のプリセットもすべて保存されるので、ユーザーは使い慣れた明暗別色補正からスタートすることができます」と説明している。
明暗別色補正は、ハイライトとシャドウのそれぞれに色調補正をかけるツールだ。私の印象ではこれまで明暗別色補正を利用してきたLightroomのユーザーは、新しい強力なカラーホイールの使い方を理解するまでに多少の慣れが必要だろう。もっとも新しいカラーホイールの方が、はるかに直感的に操作可能だ。現在の明暗別色補正は複雑すぎて使わないユーザーも多かった。
カラーホイールはクラウド版のLightroomだけでなく、デスクトップ版のLightroom Classicと単独のRAW現像アプリであるCamera Rawでも利用できる。
Lightroom 10でアドビが紹介した新機能には、画像による透かしの挿入(Windows、Mac、iOS、iPadOS、Android、Chrome OSをサポート)もある。これは従来の文字による透かしを強化するものだ。この機能を設定している場合、ユーザーが画像を共有または書き出しすると自動的に適用される。
Lightroomユーザーの作業を楽にしてくれる目玉は、自動バージョン管理だろう(こちらもWindows、Mac、iOS、iPadOS、Android、Chrome OSをサポート)。新機能は複数の編集結果を簡単に複数のプラットフォームに保存し、同期する。ユーザーは多数の編集結果を往復して見比べることができ、必要があれば編集を破棄することもできる。
「Best Photos」機能はアドビのAIシステムを利用している(iOS、iPadOS、Android、Chrome OS、ウェブをサポート)。システムは露光量その他の技術的側面、フレーミングに加えて被写体が人物の場合、顔の向き、赤目やまばたきの有無などをチェックする。ユーザーはスライダーを操作してこれらの条件を厳しくしたり緩めたりすることができる。
また、Canonユーザーに朗報があった。Lightroom Classicが一部のCanonカメラに対応した。新しいライブビューでテザー撮影すれば、仕上がりをリアルタイムで確認できるようになり、複数のメンバーを含む撮影チームの共同作業が容易になる。他のメーカーのカメラも近くサポートされる。
【Japan編集部】Lightroom 10の日本語の紹介が掲載されている。
カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Adobe、Adobe Lightroom、写真、Canon
画像クレジット:Adobe
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(翻訳:滑川海彦@Facebook)