ロシアのLeon Theremin(レフ・テルミン)氏が、自身の名を冠した電子楽器を作ってから1世紀が過ぎた。Moog(モーグ)はこれを記念して史上最も美しい(おそらく最も良い音)に違いないテルミン、Claravox Centennial(クラヴォックス・センテニアル)を発売する。
ウォールナットのキャビネットに真鍮製のアンテナ、散りばめられた完璧なツマミとダイヤル。Claravoxが戦前のレコーディングスタジオから飛び出してきたように見えるのは、まさしく意図された通りだ。
名前は1930年代にテルミンを演奏して広く称賛(とおそらく困惑)を呼び、この楽器とそのデザインの名声に著しく貢献したソビエトの音楽家、Clara Rockmore(クララ・ロックモア)氏にちなんでいる。
しかし彼女が演奏した楽器は、電子楽器の先駆者Bob Moog(ボブ・モーグ)氏が製作したいくつもの作品と比べるとほんのおもちゃだった。モーグ氏は1949年に雑誌に掲載された設計図を元に最初のテルミンを自作した。その後、彼は改良を重ね万能かつ特徴的なテルミンを作り、Moog独自のシンセサイザーとともに、多くのジャンルでなくてはならない存在になった。
このClaravoxは装飾品として作られたわけではない。現代技術と伝統的技術を満載した究極のテルミンだ。カスタマイズして、アナログとデジタルの発振器も切り替えられる。波形回路はEtherwave Proのものを使用。内蔵の遅延装置とプリセットストレージもある。入力と出力には、さまざまな音源とコントローラーを使用できる。別売で専用のスタンドまで用意されている。
その操作方法は、テルミンが常にそうであったとおりのものだ。2つのアンテナが電場の範囲内にある人間の手(または他の物体)の位置を検知し、一方は音階を他方は音量を制御する。この楽器を演奏することは、音楽のパフォーマンスそのものであり、Debussy(ドビュッシー)の「Clair de Lune(月の光)」のすばらしい演奏を見ての通りだ。
興味のある(かつ財布に余裕のある)テルミン愛好家は、 Claravox Centennialを米国時間10月22日から1499ドル(約15万7000円)で予約できる。出荷予定は12月、ホリデーシーズンにシンセ好きな特別な人を驚かせたい人にはぴったりのタイミングだ。
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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Moog、テルミン
画像クレジット:Moog
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )