The Walt Disneyの元会長、CEOのBob Iger(ボブ・アイガー)氏がPerfect Dayの取締役に就任した。同社は代替牛乳のスタートアップで、巨額の資金調達に成功している。
実際、合成牛乳は世界で1兆ドル(約105兆円)のビジネスであり、Perfect Dayはこのマーケットのリーダーを目指している。アイガー氏が取締役に就任したことは、同社がビッグビジネスがひしめく代替牛乳業界の中でもビッグな存在であることを証明するものだ。
豆乳やアーモンド製牛乳とは異なり、Perfect Dayは栽培マッシュルームから得られるタンパク質を利用して牛乳そのものの代替を目指している。同社は、The Urgent Companyの買収などを通じて合成牛乳を消費者向け製品として普及させる努力をしている。Perfect Dayが支援するUrgentは、合成牛乳を長期にわたって維持可能な一般消費者向けブランドとすることを目標とするスタートアップだ。
長年にわたって、エンターテインメント業界でビッグネームだったアイガー氏がディズニー以外の会社に関係するのはApple(アップル)の取締役を退いて以降、これが初めてだ。
アイガー氏は「テクノロジーのイノベーションと経営におけるリーダーシップは、コンセプトを世界を変える現実の力とするためのカギだ。Perfect Dayは(酪農による温暖化ガスを減らして)気候温暖化と戦うための有力な手段であり、合成牛乳をビジネスとして確立するためのリーダーとしてライバルに何年も先駆けている。この決定的なタイミングでPerfect Dayを急成長させ、市場に新たな製品カテゴリーを作る手助けできることになったのはうれしい」と述べた。
アイガー氏が加わった取締役会のメンバーは共同創業者のRyan Pandya(ライアン・パンディヤ)氏、Perumal Gandhi(ペルマル・ガンディ)氏、投資家、大株主のTemasek HoldingsのAftab Mathur(アフタブ・マントゥル)氏、Horizons VenturesのPatrick Zhang(パトリック・ザン)氏らだ。
これまでPerfect Dayは最も資金豊富な合成タンパク質による乳製品企業だったが、1500億円の資金調達に成功している合成食肉メーカー、Impossible Foodsも乳製品市場への参入(Gizmodo記事)を発表し、手強いライバルとなった。Perfect Dayはこれまで総額3億6000万ドル(約377億円)の資金を調達している。
「ボブ・アイガー氏をチームの一員に迎えることができたことに興奮しています。同氏の多年にわたる企業経営の経験とビジョンに裏打ちされたリーダーシップは私たちの事業をスケールさせるために多大の役割を果たすはずです。Perfect Dayは米国および世界市場で合成乳製品の商業化を急ぐために全力を挙げています。しかしこれにはチームの力が必要です。ボブ・アイガー氏のような卓抜した実績をもつリーダーの参加を喜ぶと同時に身の引き締まる思いです。アイガー氏らは現実の商品を持続可能なビジネスとして世界に供給するというPerfect Dayの目標の実現に大きな役割を果たすと確信しています」とPerfect Dayの共同ファウンダーでCEOのRyan Pandya(ライアン・パンディア)氏は声明で次のように述べている。
関連記事:Impossible Foodsが220億円超を追加調達、世界展開とポークやステーキ、ミルクなどの開発を推進
カテゴリー:フードテック
タグ:Perfect Day
画像クレジット:Allen J. Schaben/Los Angeles Times / Getty Images
[原文へ]
(翻訳:滑川海彦@Facebook)