東京都から石川県金沢市に移転し、2020年10月25日に開館した国立工芸館は、人間国宝や日本芸術院会員の作品など1,900点以上を所蔵している。なかには、貴重な作品のため間近で見たり触れたりすることができない作品も多数あるようだ。
そんな貴重な作品をより鮮明に細部まで鑑賞できるよう、同館はこのたびシャープ株式会社が開発した「8Kインタラクティブミュージアム」をデジタル鑑賞システムとして採用した。
見たい部分を鮮明にじっくりと
まずは、同館1階の「工芸とであう」にて川喜田半泥子作の『志野茶碗 赤不動』の展示を行う。
同作品は1949年に制作された陶磁の茶碗。これを、70V型8Kタッチディスプレイに映し、白色と緋色のコントラストや茶碗の底の脚にあたる高台の造形、破損部分を漆や金粉などで仕上げた金継ぎといった細部まで鮮明に鑑賞することができるとのこと。
多言語表示も可能
ディスプレイには、作品の画像とともに作品の紹介文が表示される。くわえて、鑑賞ポイントとなる特徴的な技巧が施されている部分には「見どころマーカー」という解説も表示されるようだ。これにより、工芸の知識がない人でも作品の魅力を感じられるという。
なお、作品の紹介文および「見どころマーカー」は、日本語、英語、中国語簡体字・繁体字、韓国語の多言語表示に対応している。インバウンドを含む多くの観光客が訪れる金沢市にある同館にとって重要な機能だろう。
陶磁をはじめガラス、漆工、木工、竹工、染織、金工、人形など幅広い工芸作品を有する同館では、今後も「8Kインタラクティブミュージアム」を活用し、さまざまな作品の展示を行っていきたいとしている。
- Original:https://techable.jp/archives/140432
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口