米司法省は、AppleとGoogleとの間の契約を独占禁止法違反の可能性があると問題視していますが、GoogleはiOSのデフォルト検索エンジン代としてAppleに年間80億ドル〜120億ドル(約8,392億円〜1兆2,588億円)を支払っている、とThe New York Timesが伝えています。
Googleの支払いはAppleの年間利益の最大21%を占める?
Googleの検索エンジンをAppleデバイスでデフォルトとする、AppleとGoogleとの間の契約が更新されたのは2017年のことです。NYTの報道では、GoogleはAppleに年間80億ドル〜120億ドルを支払っており、Appleの年間利益の14%〜21%を占めているとされています。
米司法省によれば、Googleの検索トラフィックの半数は、Appleデバイスからのアクセスであるとのことで、Appleとのデフォルト検索契約が違法と判断された場合、“ぞっとする”または“非常事態発生”シナリオに陥るとGoogle社内で恐怖が広がっていると報じられています。広告収入を主な収入源とするGoogleにとって、検索トラフィックは欠かせないものだからです。
なお、Googleがデフォルト設定となっているのは、Safariブラウザだけでなく、AppleのバーチャルアシスタントSiri、GoogleのiPhoneアプリ、Chromeブラウザも含まれます。
Apple役員とGoogle役員の会合場面も報道
NYTは、Appleの最高経営責任者(CEO)のティム・クック氏と、GoogleのCEOのサンダー・ピチャイ氏が、米カリフォルニア州パロアルトのベトナム料理店で会食している様子を捉えたTwitterリンクを記事内に埋め込んでいます。
it's a good restaurant when Tim Cook and Sundar Pichai are in the same place ! #apple #google #entrepreneurship #siliconvalley #paloalto pic.twitter.com/nql8FutjNE
— Steve D. Sims (@SteveDSims1) March 8, 2017
AppleとGoogleがデフォルト検索エンジンの契約を最初に結んだのは2005年のことです。MacコンピュータでSafariブラウザのデフォルト検索エンジンをGoogleに設定するという内容でした。
「クック氏はGoogleとのデフォルト検索エンジン契約のポテンシャルにすぐに気がついた」、と匿名の元Apple上級役員は述べています。Googleから支払われる金額は、純粋な利益となり、Appleはユーザーが最も好む検索エンジンをデフォルトに設定するだけでよかったからです。
Appleの上級社員の一人は2018年に、「我々のビジョンは、あたかも1つの企業であるかのように動くことだ」と述べたと米司法省の訴状に記されており、AppleとGoogleとの関係性は、競争関係にある企業同士がお互い利益を得るために協力する“コーペティション”であるとの意見もあります。
Source:The New York Times
(lexi)
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- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania