第一交通産業株式会社と西日本電信電話株式会社は、2020年9月下旬~2021年3月下旬にかけて「ニューノーマル時代における新たな交通サービスの実現に向けた実証事業」を沖縄県にて実施中。
同実証事業のうち、「運転支援システムによる事故低減とタクシードライバーに応じた配車司令に関する実証」において、パイオニア株式会社(以下、同社)の先進安全運転支援システム「Intelligent Pilot」が採用された。
沖縄県での実証事業
現在、タクシーなどの交通業界は担い手不足という課題を抱えているうえ、MaaSやライドシェアの台頭により事業のあり方を変える必要があるようだ。
具体的解決策のひとつとして、地域に根ざしたきめ細やかなサービスの提供が挙げられる。こういったサービスを提供するにあたり、ドライバーにとっても使いやすく便利なシステムの導入は不可欠といえるだろう。
そこで同実証事業では、デジタルデータを活用した「運転支援システムによる事故低減とタクシードライバーに応じた配車司令に関する実証」と「利用者属性に応じた地域回遊レコメンドを行うMaaSサービスに関する実証」という2つの実証を実施する。
このたび、上記の2つの実証のうち「運転支援システムによる事故低減とタクシードライバーに応じた配車司令に関する実証」において、同社の安全運転支援システム「Intelligent Pilot」が採用されることが明らかとなった。
パーソナライズされた安全運転支援
具体的には、通信ドライブレコーダーやスマートフォンのアプリケーションを介して収集した急発進や急ハンドルなどドライバー個々の運転傾向と、道路情報、事故発生地点、渋滞情報、天気などの道路環境データを組み合わせ、統合的に事故や危険の予測を行う。
その予測に応じて注意喚起や警告を発することで事故リスクを低減する。また、主な走行エリアを把握して最適な配車司令も実現していく。
事故原因の76%は「認知ミス」
財団法人交通事故総合分析センターによると、事故原因の76%は発見の遅れなどによる「認知ミス」だという。同社は「認知ミス」を回避する手段として「事前の警告」が有効であると考えた。
しかし、ある地点で毎回警告が発せられたとしたら、ドライバーには「慣れ」が生じ、警告の有効性が低くなると推測し、そのときの状況に応じて警告を発せられる同システムを開発したとのことだ。
ブレーキを踏むタイミングやハンドリングなどは個人差があることから、第三者が注意するというのは難しい場合もあるだろう。しかし、同システムを活用すれば、個々のデータと道路環境データからパーソナライズされた警告が発せられる。これにより、ドライバーの安全運転への意識は強くなるのではないだろうか。
- Original:https://techable.jp/archives/140475
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口