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生体情報を復元不可の状態で管理する「生体認証統合基盤サービス」提供開始

株式会社日立製作所は、安全性の高い生体認証を活用した本人認証やキャッシュレス決済を実現するクラウドサービス「生体認証統合基盤サービス」の提供を2020年10月30日より開始する。

同サービスを活用すれば、ユーザーは生体情報などを一度登録するだけで飲食店やイベント会場、レジャー施設などさまざまな場所において体ひとつでキャッシュレス決済やチケットレス入場が可能となるとのこと。

なお、今回の提供開始に伴い2020年12月初旬から日立の横浜事業所にて、ユーシーカード株式会社とGMOペイメントゲートウェイ株式会社および日京クリエイトの協力のもと、指静脈情報とクレジットカード情報を紐付けたキャッシュレス決済を導入する見込みだ。

安全性が最大のポイント

同サービス最大のポイントは、その安全性にある。同サービスには同社独自の特許取得済みの認証技術「公開型生体認証基盤(PBI)」を活用。「PBI」に決済連携機能や商業施設での入退場管理機能などを付加することで幅広く活用できるサービスだ。

「PBI」は、ユーザーが登録した生体情報を復元できない形式にしてクラウド上で管理する技術と、安全なインターネット通信を実現する技術「公開鍵暗号基盤(PKI)」を組み合わせており、生体情報を復元できない形に変換した際にクラウド上に保管する公開鍵を作成する。

本人認証や決済をするたびに認証する端末で本人のみが持つ秘密鍵を作成し、対になる公開鍵と照合するという仕組みだ。

一度使用された秘密鍵はすぐに廃棄され保存されないことと、秘密鍵作成には本人の生体情報が必要なことから、他者によるなりすましはまず不可能だろう。また、万が一情報漏えいが起こっても、登録している生体情報は復元できない形になっているため、個人の生体情報が公になることはないとのこと。

実証実験の実績

同社はこれまで、指静脈を中心に生体認証の活用に取り組んできた。2016年、国内の金融機関で初めて「PBI」を採用したのが株式会社山口フィナンシャルグループ。2017年度上期から株式会社山口銀行と株式会社北九州銀行、その後株式会社もみじ銀行でも稼働しているようだ。

また、2019年12月~2020年3月には、ユーシーカード株式会社とともに指静脈認証によるキャッシュレス決済の実証実験を実施した。ユーシーカードおよび日立の社員を対象にクレジットカード番号と指静脈情報を紐付け、ユーシーカード加盟店である飲食店など複数店舗にて指静脈認証決済を行うというものだ。

そして現在も、香港の無人コンビニエンスストアにてキャッシュレス決済の実証実験を実施中とのこと(2020年12月完了予定)。

同社は今後、指静脈に限定せず顔や虹彩などさまざまな生体情報を活用することを視野に入れているようだ。また、これまでの指静脈においても、非接触で認証を行う新型装置の開発などより安心・安全なキャッシュレス社会実現に貢献したいとしている。

PR TIMES

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