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サムスンの新しい試み「折り畳みスマホ」は定着するか? 第1世代「Galaxy Fold」を振り返る

まだまだ特殊なデバイスという位置づけではあるものの、折り畳みスマートフォンが拡大している。サムスンはGalaxy Zシリーズとして折り畳みスマートフォンを複数ラインナップしており、その第1弾となった製品が「Galaxy Fold」だ。当初は「Z」が付かなかったので、シリーズ化するかどうか決まっていなかったのかもしれない。日本ではauから発売され、後継機種の「Galaxy Z Fold2」発売も目前に迫っている。

まずは第1世代「Galaxy Fold」を振り返り、どのような解決がなされたのか、後日「Galaxy Z Fold2」のレビューを掲載しよう。

欠点は多いものの、触っていてとにかく楽しい

Galaxy Foldは、メインディスプレイを内側に折り込むブックスタイルの折り畳みスマートフォン。折りたためばスマートフォン、開けばタブレットとして使えるというのが特徴だ。他社にはディスプレイを表にして山型に折り込む端末もあるし、1枚のディスプレイを折りたたむのではなく、ふたつの画面を重ね合わせるタイプもある。Foldのスタイルは、折りたたむとカバーディスプレイを一般的なスマートフォンライクに使えるようになる。このあたりはそれぞれ一長一短あるものの、Foldの場合メイン画面は内側に収めて保護する形になるため安心できるという点はメリットだろう。

閉じた状態。ちょっと画面の小さいスマートフォン

開くとタブレットに早変わり

スマートフォンとしては分厚い。折り畳みの宿命ではあるが、約15.7mm(最厚部17.1mm)とどうしてもスマホ2台分ぐらいの厚みになってしまう。厚みを除くと、縦160.9×62.8mmと約細身のボディは普通のスマートフォンより持ちやすく、握りしめるという感触になる。

閉じた状態だと、約15.7mm(最厚部17.1mm)と当然2倍の厚さになる

細身なことも手伝って、握りしめる感じはそれほど持ちにくくない

ただ、スマートフォンとして使われるカバーディスプレイの画面サイズは4.6インチと小さい。本体の中心に小窓のようにあるディスプレイは、スマートフォンというよりもサブディスプレイという印象だ。

このあたりはGalaxy Foldの大きな弱点。一見コンパクトスマートフォンに見えるものの、その実態は分厚いボディとなっており、画面サイズとしては4.6インチしかないのはやはり使い勝手が悪い。

スマートフォン側でアプリを開いた状態で本体を開くと、その時開いていたアプリがタブレット側でも開いた状態になる。画面が小さいと感じた場合は、開いてタブレット状態にしてメイン画面を利用すればいいのだが、やはりそれはそれで一手間かかる。スマートフォンとして完結できるのであればそれに越したことはない。

メインディスプレイで開いていたアプリは設定をすればそのままカバーディスプレイに移行できる

タブレットモードになると、画面サイズは7.3インチというサイズ。タブレットというにはやや小さいが、それでもスマートフォンよりはるかに大きい大画面が楽しめる。

タブレットモードで横持ち。一般的なタブレットのように見える

画面を開いたタブレット状態なら厚みは6.9mmと薄くなる。276gという重さもタブレットと考えれば軽量だ。2152×1536ピクセルのディスプレイの画面比率(アスペクト比)ほぼ4:3なので、動画だと上下の黒帯が大きくなるものの、画像の閲覧にはちょうどいい。電子書籍にも向いているだろう。横持ちして2画面表示していると、ちょうど文庫本やラノベ(A6判。105✕148mm)を読むぐらいの感覚だ。

タブレットにすれば一般的な厚み。側面には音量ボタン、電源ボタン、指紋センサーが並ぶ

背面から見たところ

ただ、インカメラをデュアルカメラにするなど、ノッチが大きめになっているのは気にかかるところ。デュアルカメラにもメリットはあるが、ディスプレイサイズを小さくしてまで搭載するのは本末転倒だろう。

やや内側に反ったデザインとなっており、中央の折り目は角度によっては目立つし、触るとへこみも感じるが、使っていて致命的な問題には感じない

とはいえ、スマートフォンサイズで持ち歩けて、タブレットの画面サイズで動画や画像などのコンテンツを楽しめるというのは得がたい体験だ。やはり持ち運びやすさというのは大きなメリットで、必要に応じて画面サイズを変えられるのもいい。

タブレットとして、複数のアプリを同時起動もできる。3つのアプリまでを並べる機能を備えているが、快適に使うにはやや画面サイズが足りない。それでも、使いようによっては便利で、必要なときにこうした使い方ができるのは折り畳みスマートフォンならでは。

  1. 3つのアプリを並べたところ。この配置は固定。縦に並んだ2つは小さいので見にくいが、通常のスマートフォンで2分割にして使うと考えれば困らない。左側の縦に長く配置できるアプリは、スマートフォンの通常の1画面と同様なので、配置を工夫すれば使いやすくなる
  2. アプリはドラッグ&ドロップで配置を入れ替えられる

「閉じる」「開く」という動作は、スマートフォン以前のフィーチャーフォンの折り畳みケータイっぽくて、なんとなく開け閉めをしてしまう。閉じた状態で爪を差し込むようにするとカパッと開き、開ききる直前に軽く力を入れるとパチッと平らになる。つい、開け閉めを繰り返したくなる感覚だ。

残念なのは、開いている途中で角度が固定できない点。ノートPCのような使い方はできない。

新たなデバイス、新たなチャレンジに踏み出せるサムスンへの期待

こうしてみると、予想通りというか、欠点は少なくない。

Galaxy Foldは、スマートフォンを使っている最中にタブレットに持ち替えるといった、2台持ち状態よりは手軽だ。ただその場合、より使いやすいスマートフォン、より大画面のタブレットを使い分けられるのに比べて、一体型はいろいろとガマンしなければならない面が多くなる。また、20万円を超える高額のデバイスは、おいそれと手が出るものでもない。

ただ、こうしたチャレンジができる点はサムスンの強みだ。曲げられるディスプレイは新たなデバイスにも生かされるだろうし、折り畳みは何より楽しい。これがスマートフォンの主力になるとは考えにくいものの、今後新たなデバイスへのチャレンジという将来性を期待させるた製品がGalaxy Foldだった。

ハードウェア的な進化が少ない昨今のスマートフォンにおいて、2世代目も登場したGalaxy Fold。Galaxy Z Fold2でも、サムスンによる新たな使い方、新たな提案に期待したい。

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カテゴリー: ハードウェア
タグ: Samsung / サムスン(企業)Samsung Galaxyガジェット(用語)スマートフォン(用語)レビュー(用語)

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