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Appleなどの巨大テック企業、VR・AR研究者およびアーティストの囲い込みに奔走

apple グラス
 
Apple、Googleの親会社Alphabet、Facebookを筆頭とする巨大テック企業が、ハリウッドから多くのビジュアル・アーティストを雇い入れており、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』や『アバター』などのブロックバスター映画に最初に使用されたデジタル効果技術の獲得を行っている、とThe Wall Street Journalが伝えています。

人材がハリウッドからシリコンバレーに流れている?

仮想現実(VR)が完全に外の世界を遮断するのに対し、拡張現実(AR)は現実世界に対してコンピュータグラフィックスで生成された映像を重ね合わせるものです。Apple、Google、Facebook、Microsoftなどの企業は、エクステンデッド・リアリティ(XR)とも呼ばれる、この領域で機能する特殊なメガネヘッドセットの開発を行っています。
 
シリコンバレー企業は、ハリウッドでデジタル効果を手掛けてきたVR・ARアーティストおよびエンジニアを多く雇用することで、リアルな複合現実体験の構築を目指している、とWSJが伝えています。
 
近年、Industrial Light & Magic(スター・ウォーズシリーズ)や、Digital Domain(Marvel)、Weta Digital(ロード・オブ・ザ・リング、ジュマンジ/ネクスト・レベル)などのハリウッド企業でビジュアル効果を制作してきた技術者たちが、巨大テック企業でAR/VRアプリケーションおよびハードウェアの開発に携わっているとのことです。

ビジュアル効果アーティストにとっては魅力的な選択肢

「ビジュアル効果の世界で大金を稼ぐのは難しい」と、ビジュアル効果業界のベテランで、現在は南カリフォルニア大学で教授を務めるポール・デベベッチ氏はコメントしています。
 
4年半前にGoogleに雇い入れられXR事業の進展の手助けを行っているデベベッチ氏は、「ビジュアル効果業界の最も優れた人材は、テック業界入りしている」とも述べています。これまでに同氏の大学のチームの3人がGoogleに加わったとのことです。
 
ハリウッドで映画やテレビのビジュアル効果を担当する仕事は、長時間かつ予測不可能な労働時間が通例となっていましたが、シリコンバレー企業は多額の資金をXR技術開発につぎ込んでおり、ビジュアル効果アーティストやエンジニアにとって非常に魅力的な機会が豊富なようです。
 
「一番の違いは、ちゃんと人間のように扱われるということだ」と、1人のベテランビジュアル効果アーティストはコメントしています。この人物の仕事仲間の多くも最近ハリウッドの仕事を辞め、テック業界入りしており、同氏も世界で最も大きなテック企業の1つでARプラットフォームの開発を行っているとのことです。
 
コンサルタント会社Accentureによれば、テック企業はARとVRに2020年に210億ドル(約2兆1,971億円)を費やす見通しですが、この数字は2023年には1,210億ドル(約12兆6,596億円)にまで跳ね上がる見込みであるとのことです。
 
 
Source:The Wall Street Journal
Photo:Martin Hajek/iDropNews
(lexi)

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