TVisionはストリーミング視聴を測定する基準を作ることを目指し、それを構築している。同社はこの取り組みを加速するために、新たに1600万ドル(約16億7000万円)を調達した。
ニューヨーク市を拠点とするスタートアップのTVisionは、従来のテレビ視聴に関して視聴者が本当に広告に注意を向けているかどうかをウェブカメラで調べて測定することからスタートした。最近ではスマートテレビに限定したソリューションをリリースした。共同創業者でCEOのYan Liu(ヤン・リウ、劉延豊)氏は、スマートテレビには標準となる測定方法がないという。
同氏は「ストリーミングには、テレビ視聴率と呼ばれるようなものがないことに気づいたのです。ストリーミングの業界には本質的に適切な共通認識がありません」と語る。
その理由の1つは、NetflixやDisney+などの大手は広告モデルではなくサブスクリプションベースであるため、他社の測定企業と連携するインセンティブがほとんどないことだ。
劉氏は、市場で現在利用されている測定ソリューションはほとんどタグに限定されているとも語る。タグは広告がどの程度広く視聴されたかを広告主が測定できるようにするアプローチだが、業界の基準や競合に対してどの程度のパフォーマンスを上げたかを示してはいない。
そこでTVisionはタグに頼る代わりに、スマートテレビ視聴者に協力してもらう調査パネルを構成した。これはNielsen(ニールセン)がテレビ視聴率の測定の中心としている方法で、ある意味きわめて古いアプローチだ。しかし劉氏は、この方法は見た目よりも難しく、だからほかの広告測定企業の多くは自社の調査パネルを構成していないのだという。
さらに同氏は、TVision(ちなみにT-Mobileの同名のストリーミングバンドル[未訳記事]ではないことに注意)はWi-Fi信号などのデータを用いて広告がストリーミングサービスとライブ配信のどちらで配信されたかを判断する新しいテクノロジーを開発したことも補足した。
個人を特定できる情報はアップロードせず、パネルとして調査に協力する人にどのデータが共有されるかを周知して、規則を遵守しプライバシーに配慮した調査を実施していると劉氏はいう。
TVisionの測定プラットフォームはデスクトップPCやノートPC、モバイルデバイスは対象とせず、スマートテレビに限定している。ただし劉氏は、Oracleのマーケティング支援サービスであるMoatと連携してクロスプラットフォームのインサイトを提供できると説明する。
すでにTVisionはPepsi、Anheuser-Busch、Hulu、AMC、電通イージス・ネットワークなどの顧客を獲得している。同社はこれまでに3900万ドル(約40億7000万円)を調達した。最新のラウンドは、国際商社のSusquehanna International Groupのグループ会社であるSIG Asia Investmentsが主導した。これまでに投資していたAccomplice、Golden Ventures、Jump Capitalも参加した。
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カテゴリー:ネットサービス
タグ:TVision、資金調達
画像クレジット:Maskot / Getty Images
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(翻訳:Kaori Koyama)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/11/06/2020-11-02-tvision-funding/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Anthony Ha