<&GP編集部員が買ってみた!使ってみた!>
テントサイトのメイン光源となるランタン。ヘッドランプと違い周囲を照らしてくれるキャンプ場の夜には欠かせないモノです。
以前はオイルランタン、ガソリンランタン、ガスランタンなどが主流でしたが、最近は高輝度LEDが普及したことでLEDランタンが人気になっています。燃料を燃やすタイプと比べて安全かつ手軽で、しかも小さいのに明るさは遜色なく、さらに暖色系やゆらぎのあるモノまで出てくれば、そりゃあ当然そっちを選んでしまいますよね。
10月に電車でソロキャンプに行こうと思い立った時も、そろそろLEDランタンを導入しようかと考えました。それまではOD缶を使うガスランタンを使っていたんですが、ザックに入れるにはやはりかさばる。ソロキャンプだからこそ道具はとにかく小さくしたいところです。
そこで、前々から話題になっていたGoal Zero(ゴールゼロ)の超小型LEDランタン「Lighthouse Micro Flash」を購入しようと思ったのですが、調べているとなんだか気になるものが。
それがLED LENSER(レッドレンザー)の「ML4」。最近発売されたようで、白色と暖色の2種類ある模様。
これはもう、両方試してみたくなるやつです。そこで思い切ってGoal Zero、LEDレンザーの両方を購入し、ソロキャンプに連れて行きました。2つ合わせてもガスランタン+OD缶よりよっぽどコンパクト!
実際に使ってみると、予想以上に違いがあり、使い勝手も結構な差がありました。
■乾電池も使えるのはイイ!
まずはLEDレンザー「ML4 Warm」を見ていきましょう。
サイズは高さが97mmで直径29mm。重さは電池を含め約71g。リアル手のひらサイズです。
上部はカラビナのようになっていて、S字フックやカラビナを別途用意しなくても引っ掛けられるのは助かります。
操作スイッチも上部にあります。押せば点くのですが、さすがはフラッシュライトメーカー、モードがいっぱいあってちょっと複雑です。
消灯状態から1クリックごとに以下のように切り替わります。
Low(5ルーメン/40時間)
↓
Mid(50ルーメン/7時間)
↓
Power(150ルーメン/2.2時間)
↓
点滅
↓
消灯
またダブルクリックするとブーストモード(300ルーメン)に。他にも3秒長押しで赤色モードに切り替えられ、こちらは Low → Mid →点滅 があります。
他にも、点灯させた時にスイッチが緑に光ったり、ライト内部の一番下が蓄光になっていたりと、なかなかに芸が細かい。
充電は付属のマグネット端子経由で行います。カラの状態からフル充電まで公称約2.5時間。モバイルバッテリーから寝ている間にでも昼間にでも余裕で充電できそうです。
さらに付属の充電池は取り出せます。いわゆる「14500型」と呼ばれる直径14mm、長さ500mmの充電池で、単3乾電池のように見えますが中身はリチウムイオンです。
市販の単3乾電池「エボルタ ネオ」と比べると、ほんのちょっとだけサイズが違いますが、どちらも単3電池の規格サイズ内に収まっています。
だから単3乾電池でも問題なく使えます。
充電が切れてモバイルバッテリーもないという状況の時や、充電ケーブルを忘れたという時に、入手しやすい単3乾電池が使えるのは助かりますね。防災用としても使えそう。ちなみにIP66の防塵防滴仕様です。
■フラッシュライトとしても使える!
お次はGoal Zero「Lighthouse Micro Flash」。日本では2016年に発売開始となっているので、超小型LEDランタンとしてはロングセラー商品です。
サイズは高さ約93mm、直径約37.75mm。重さは68g。
高さはLEDレンザー「ML4 Warm」より4mm短くなっていますが、「ML4 Warm」は上部のフック部分も入れたサイズで、「Lighthouse Micro Flash」はフックを寝かせられるため、その分はサイズに入っていないようです。だから、本体部分は「Lighthouse Micro Flash」の方が長くなります。
天面にはライトとスイッチがあります。ライトは最大120ルーメンで、リフレクターが付いているため指向性の光になり、フラッシュライトとして使えます。これは「ML4 Warm」にはない機能です。
ただしフックはカラビナ状になっておらず、どこかに引っ掛ける際はカラビナやS字フックなどが必要になります。
スイッチの逆側には、4つのバッテリー残量計が付いているので、どれだけ残っているかがわかり便利。
メインのLEDは下向きに4つ付けられています。こちらもモードはいろいろありますが、すべて1つのスイッチで操作するので、慣れるまでは戸惑うかも。
消灯状態から1クリックで天面のフラッシュライトが点灯。2クリックでメインのLEDライト4つが点灯(ハイモード)、3クリックで2つが点灯(ローモード)となります。
フラッシュライトもメインのLEDライトも、点灯している状態でスイッチを長押しすると明るさを調節できます。
ランタンローモード:10ルーメン(170時間)~75ルーメン(15時間)
ランタンハイモード:20ルーメン(80時間)~150ルーメン(7時間)
フラッシュライト:20ルーメン(100時間)~120ルーメン(8.5時間)
正直、明るさ調節なんて絶対忘れちゃうので、明るさを4段階ぐらいにしてクリックで切り替えとかでいいかもなんて思ったり…。
充電は底部にあるUSB端子を使います。180度回転するタイプで本体に固定されているため、ケーブルを持ち歩かなくてもいい点は助かります。
このようにモバイルバッテリーのUSB Type-Aポートに直接挿せばOK! カラからフル充電まで約3.5時間。端子むき出しですが、IPX6なので雨でも問題なしです。
では実際に使ってみましょう。
■リフレクターの向きでこれだけ変わる!
外で使うと最も明るくしても、さすがにどちらもちょっと寂しい。高さ120cmのランタンハンガー上部に引っ掛けて使ったんですが、ローチェアに座った時の手元までは厳しかった…。とはいえ、周りに何があるかぐらいはわかります。ただし、どちらかというと下向きに照らす「Lighthouse Micro Flash」の方がより明るく感じたような気がします。
でも、そもそも手元はヘッドランプで照らせばいいし、焚き火もあるしと考えると、ソロキャンプなら超小型LEDランタンでも十分かもしれません(すいません写真がちゃんと撮れませんでした…)。
ではLEDランタンが最も活躍してくれるテントの中はどうか。
インナーテントの天井にあるフックに取り付けたのですが、「ML4 Warm」はカラビナ状になっているのでそのまま引っ掛けられました。これは便利。
一方「Lighthouse Micro Flash」は、「Sビナー」で引っ掛けることに。もうこの「Sビナー」付けっぱなしでいいかも。
どちらも150ルーメンになるモードで点灯してみました。
「ML4 Warm」はリフレクターが大きいので全体が光るんですが、リフレクターが下に向かって広がっている形状や下部に電池蓋があることから、本体より横から上にかけて照らすようなイメージです。
「Lighthouse Micro Flash」はLED搭載部分が太くなっていて、さらに下向きに付けられていることから、下側に向かって広がるように光ります。
これらから考えると「Lighthouse Micro Flash」の方がいいんじゃないのと思いますよね? でもそういうわけでもなかったんです。
今回使ったテントはMSR「エリクサー2」。インナーテントは白です。この白というのがポイントで、横や上を照らす「ML4 Warm」はインナーテントを照らすことでテント内全体が明るくなりました。一方「Lighthouse Micro Flash」の光は下向き。しっかりと自分を照らしてくれるんですが、でも手元はヘッドランプがあるのでランタンの明かりは必要なし。結果的には、テント内全体を明るくしてくれる「ML4 Warm」の方が、同じルーメンでも明るく感じました。もちろんこれは明るい色のインナーテントならではの効果なのかもしれませんが。
* * *
どちらも小さくて明るくて、荷物を少しでも減らしたいという人には間違いなくオススメできるLEDランタンです。使ってみて、人気なのがよくわかりました。
あとは、フックの形状、電源、充電方法、光り方、フラッシュライトの有無といった異なる部分をどう考えるかですが、これはもうキャンプスタイルに合わせて選べばいいと思います。そういえばLEDレンザーは暖色系の明かりだったんですが、さほど違いは感じなかったかも。
超小型というと登山用のイメージがありますが、ソロキャンプなら十分活躍してくれます。次のソロキャンプはおそらく…、両方持っていくかも(笑)。
>> LEDレンザー「ML4」
>> Goal Zero「Lighthouse Micro Flash」
<取材・文/円道秀和(&GP)>
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/334613/
- Source:&GP
- Author:&GP