2020年、Mukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏の通信ベンチャーJio Platforms(ジオ・プラットフォームズ)に15億ドル(約1550億円)を(未訳記事)、光ファイバー事業に5億ドル(約520億円)超を(未訳記事)投資したサウジアラビアのPublic Investment Fund(PIF、公的投資基金)が、インドで最も裕福なアンバニ氏の事業を支援するために再び戻ってきた。
政府系ファンドであるPIFはインド最大の小売チェーンであるReliance Retail (リライアンス・リテール)の持ち分2.04%を13億ドル(約1340億円)で取得する。この投資により、2006年創業のReliance Retailのバリュエーションは624億ドル(約6兆4500億円)になる。
Reliance Retailはインド国内6500超の市町村に約1万店を展開し、2020年初めの時点では毎週350万人が利用していた。同社が今年9月以降に調達した額は64億ドル(約6600億円)を上回る。
2020年、Facebook(フェイスブック)やGoogle(グーグル)などを含むさまざまな投資家からJio Platforms向けに200億ドル(約2兆670億円)超を集めたアンバニ氏は、今年末までにReliance Retail向けに数十億ドル(数千億円)を調達する。Reliance Retailへの出資が見込まれる企業の1社はAmazon(アマゾン)で、同社はすでにインドの小売事業に65億ドル(約6720億円)超を注いできた。
Relianceが、インドで2番目に大きい小売チェーンFuture Retailの事業の一部を34億ドル(約3500億円)で買収するという案件は現在行き詰まっている。Future Retailの子会社の1つの少数株を所有するアマゾンは、RelianceとFuture Retailのディールを阻止すべく法的手段に出た。Future RetailとReliance Industries(リライアンス・インダストリーズ)はこのディールを進めるつもりだと述べた。
「Relianceは、サウジアラビア王国と長年関係を持っています。PIFはサウジアラビアの経済トランスフォーメーションの最前線にいます。 Reliance Retailの重要なパートナーとしてPIFを歓迎します。また、インド国民13億人と何百万という小売店の暮らしを豊かにすべく、インドの小売部門を変革する野心的な取り組みを続けるにあたって、PIFの持続的なサポートとガイダンスに期待しています」とアンバニ氏は声明で述べた。同氏はReliance Retailの親会社Reliance Industriesを経営している。
Reliance Retailは2019年に、Jio Platformsとの合同ベンチャーJioMart(ジオマート)を通じてeコマースの分野に進出した。JioMartはいま、インド国内200以上の市町村で店舗を展開し、またWhatsApp(ワッツアップ)統合でフェイスブックと提携している。2020年初めにJio Platformsに57億ドル(約5890億円)を投資したフェイスブックは、インドの6000もの家族経営店や中小企業をデジタル化するためにRelianceと協業するさまざまな方法を検討していると述べた。
「インドで最もエキサイティングな部門をリードしているReliance Industriesとの信頼できるパートナーシップをさらに深化させることを嬉しく思います」とPIF総裁のYasir Al-Rumayyan(ヤセル・ルマイヤン)氏は声明文で述べた。「今回の投資は、サウジアラビア国民へのリターンを生み出し、サウジアラビアの経済分散を押し進めるというPIFのコミットメントを示すものです」。
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(翻訳:Mizoguchi)