ウイングスーツは、スカイスポーツ用の特殊なジャンプスーツだ。手と足の間に布が張られており、それを広げてムササビのように滑空できるので、日本ではムササビスーツなどとも呼ばれている。
電気自動車を製造するBMWのサブブランド「BMW i」は、プロのスカイダイバーとコラボして、このウイングスーツに推進ユニットを取り付けた。通常のウイングスーツは滑空するだけなので、スピードは100km/hほど。ところが、新開発のハイテクウイングスーツは300km/hで飛ぶことができる。
スカイダイバーのアイディアをBMWが実現
開発の始まりは、Peter Salzmannというオーストリアのプロ・スカイダイバーのアイディアだった。BMW iは、電気モーターに関するノウハウを活かして、彼の描いた夢を実現。数々のシミュレーションと風洞実験を経て、ウイングスーツ用の推進ユニットを完成させた。
ストラップで胸の前に固定される推進ユニットには、2つのカーボン製プロペラ、それを駆動する電気モーター、そしてバッテリーが内蔵されている。モーターの出力は通常7.5kW、プロペラの回転速度は約25,000 rpmだが、一時的に出力を押し上げて15kWにできる。ただし出力のブーストは5分間しか続けられない。
アルプスでテスト飛行
動画の中では、高度3,000mに昇ったヘリコプターから3人のスカイダイバーが飛ぶ。Electrified Wingsuitを着けているのは、発案者であるSalzmannさん。他の2人は、スピードを比較すために普通のウイングスーツで飛んでいる。
このElectrified Wingsuitは、BMWのイベント「#NEXTGen 2020」で発表される予定。
BMW公式サイト:Electrified Wingsuit Flight:the Making-Of
- Original:https://techable.jp/archives/142000
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:信人安谷