製薬会社Pfizer(ファイザー)は新型コロナウイルス感染症ワクチンのフェーズ3臨床試験データに関する最新の分析を明らかにした。それによると、4万4000人が参加した治験を分析した最終結果でワクチンの効果は95%だった。同社が米国時間11月9日に発表した初期データよりも高い有効性だ。初期データではフェーズ3治験データの暫定分析に基づく予防効果は90%と発表していた。
今回の発表は、Moderna(モデルナ)が開発するワクチンのフェーズ3臨床試験の分析に続くもので、Modernaは94.5%の有効性が認められたと発表していた。Pfizerとパートナー企業BioNTech(ビオンテック)のワクチンはmRNAをベースとした手法だ。Modernaのものと似ていて、2つのワクチン候補の効果はほぼ同程度のようだ。対象が限られ、今後科学者によってレビューが行われることになるが、少なくとも今のところはそうだ。
最終分析のPfizerのデータは、治験参加者4万4000人のうち170人で新型コロナ感染が確認されたことを示している。170人のうち162人はプラセボ(偽薬)が投与されたグループで、残る8人のみが実際にワクチン候補を投与された。同社はまた、重症となった10人のうち9人がプラセボグループで、新型コロナ感染を防げない稀なケースでもワクチンが重症化を防ぐのに役立つと考えられる、とも報告した。
今回の発表はPfizerが米食品医薬品局(FDA)から緊急使用許可(EUA)を認められるのに役立つはずだ。EUAが承認されれば、本来のプロセスで最終的な承認が下りる前に緊急手段としてワクチンを供給できる。今週初めに同社は、治験参加者の2カ月分のフォローアップデータをすでに集めたと明らかにした。フォローアップデータは承認に必要なもので、同社は「数日以内」にEUA申請する意向を示していた。同社は年内にワクチン製造を開始し、2021年末までに最大13億回分のワクチンを製造する計画だ。
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カテゴリー:バイオテック
タグ:Pfizer、BioNTech、新型コロナウイルス、ワクチン
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(翻訳:Mizoguchi)