株式会社アストロスケールホールディングス(以下、アストロスケール)は、実証実験衛星「ELSA-d(End-of-Life Services by Astroscale – Demonstration)」(以下、「ELSA-d」)の打ち上げ計画を発表した。同社は「ELSA-d」を用いて、スペースデブリの除去を図る。
急速に増え続けるスペースデブリの問題点とは?
「宇宙ごみ」とも呼ばれるスペースデブリは、地球周回軌道に存在する不要な人工物のことを指す。役目を終えた人工衛星やロケットなどが、スペースデブリの代表的な例だ。
近年では宇宙開発の進展に伴い、スペースデブリの数が急速に増加している。軌道上を周回するスペースデブリは、サイズの小さなものでも巨大な運動エネルギーを持つ。そのため、衝突によって人工衛星や宇宙ステーションなどに壊滅的な被害をもたらす可能性がある。
そこで今回の「ELSA-d」は、スペースデブリを安全に取り除くサービスの実証を行う。同衛星は来年3月に、カザフスタンのバイコヌール基地からソユーズロケットで打ち上げられる。
アストロスケールの取り組みについて
2013年に設立されたアストロスケールは、さまざまな軌道上サービスの実現を目指して技術開発を進めてきた。その例として、寿命を迎えた人工衛星の除去を行う「EOL(End-of-Life)」サービスや、既存デブリを除去する「ADR(Active Debris Removal)」サービスなどが挙げられる。
今回の「ELSA-d」に関するミッションは、英国国立軌道上サービスオペレーションセンター(IOCC)をはじめとした国際協力によって実現。同ミッションの今後に注目したい。
(文・早川あさひ)
- Original:https://techable.jp/archives/142403
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:早川あさひ