映画はレイティングシステムによって観客の年齢制限が決められる。年齢制限がかかれば興行収入にも影響するため、製作の時点でレイティングが判断できるのが望ましいだろう。
通常レイティングは、人が映画を観て、暴力的、薬物乱用、性的コンテンツが含まれているかを精査する。南カリフォルニア大学の研究チームは、AIを利用して脚本の段階でレイティングを予測できることを示した。
脚本から数秒でレイティングを予測
研究チームは、安全なメディアを促進するアメリカの非営利団体、Common Sense Mediaが暴力的、薬物乱用、性的コンテンツを含むと規定した992作品の脚本を使用してAIをトレーニングした。
こうして開発したAIツールは、脚本中の表現の意味と感情を分析し、単語やフレーズを暴力、薬物乱用、性的コンテンツの3つのカテゴリに分類する。
同ツールを活用すれば、脚本から数秒でレイティングを予測できて、映画製作者は撮影前に、作品の表現を和らげるべきかどうかを判断できる。
作品中の薬物乱用と性的コンテンツの量が相関
研究を進める中で研究チームは、過激な表現に多くの関連があることを発見したようだ。例えば、作品の中での薬物乱用に関するコンテンツと性的コンテンツの量は相関している。また、暴力的、薬物乱用、性的、すべての表現が同じ作品に多く含まれている可能性は非常に低かったという。
アメリカ映画協会によるレイティングの特徴としては、性的コンテンツの量が多くなると、ほかのコンテンツにあまり重点を置かなくなることを発見。つまり、暴力的、薬物乱用コンテンツの量に関係なく、性的コンテンツの量が多い映画はR指定を受ける可能性がある。
今回、自然言語処理を用いた映画の新たな分析手法を示した研究者だが、今後はマイノリティについての表現を研究対象にしたいと考えているようだ。
参照元:AI Tool May Predict Movies’ Future Ratings/ USC Viterbi
- Original:https://techable.jp/archives/142392
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji