バンクーバーのロボティクス企業JDQらは、発達障害者/高齢者施設における介護者不足をロボットで補おうとしている。ロボティクス研究者や発達障害者団体も参加する「3Spheres Robotics Project」では、介護施設利用者の自立生活支援を担うロボット開発が目指される。
見守りと施設内ナビゲーション、インタラクションの機能を備えたロボット「Aether」は、すでに発達障害者施設でのテスト段階にあるようだ。
顔認識やポーズ推定を備えた見守りロボット
Aetherは、利用者の見守りを提供することで施設の安全性を高め、介護者の負担を軽減する。利用者を顔認識し、発話者の認識やポーズ推定も行う。ロボットはSLAMにより施設内目的地に向かって移動し、人や障害物にぶつかっても安全に方向転換するよう設計されているようだ。
また、動きや声掛け、モニタに表示された表情を通したやり取りで、利用者に社会的な刺激を提供するのもロボットの役割の1つ。こうした機能をテストする様子は、YouTube動画で確認できる。
特定の個人にフォーカスしての見守りを提供
Aetherが特徴的なのは、対象の利用者を識別して見守りを提供すること。一般的な見守りロボットは人を区別せず追跡する。匿名の人追跡と顔認識を組み合わせた技術のテストでは、対象者の追跡について従来よりも高いパフォーマンスが示された。
現在Aetherは、発達障害者のグループホームおよび100床の介護施設などでテストされていて、段階的により実用的なテストに移行するようだ。
参照元:3Spheres Robotics Project/ JDQ Systems
Autonomous Person-Specific Following Robot/ arXiv
- Original:https://techable.jp/archives/142618
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji