5G通信では、高い周波数のミリ波を遠くまでとどけるためにビームフォーミングが用いられる。ミシガン大学の研究チームは、5G通信で利用できるシングルチップのミリ波ビームフォーマーを開発した。
通常利用されるアナログ方式のビームフォーミングでは、1方向の送受信しかできないが、今回開発の技術ではデジタル方式を採用。4方向の送受信を可能にし、より柔軟な5G通信を実現する。
シングルチップに16個のアンテナを搭載
研究チームは、シングルチップに16個のアンテナから成るアンテナアレイを載せて、28GHzMMWのミリ波をビームフォーミングできるようにした。
デジタル制御により信号を任意の方向に向けることができ、同時に4方向の通信が可能だ。素早く柔軟な切り替えもできて、例えば、4機の衛星や飛行機との通信も考えられるという。また、シングルチップということから、従来のシステムより消費電力が大幅に抑えられるとのメリットもある。
ドローンからの5G通信も
研究チームによるミニ無響室でのテストでは、同ビームフォーマーの正確な3Dビームパターンが示されたとのこと。
同技術の利用シーンとして研究者は、チップ搭載のドローンを被災地に飛ばしての緊急的なインターネット提供、あるいは衛星から郊外へのインターネット提供なんかを想定している。
スマホなんかにも搭載できて通信の信頼性も高い同ビームフォーマーは、5G通信の利用範囲を広げてくれそうだ。
- Original:https://techable.jp/archives/142621
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji