ベルキン(Belkin)の高音質スマートスピーカー「SOUNDFORM ELITE Hi-Fiスマートスピーカー」を、2週間にわたって使い倒して感じた「音」について、ご紹介します。
前編での製品概要やセットアップに続き、「スピーカー」としての音質を、マンション住まいで大音量を出せないという環境で評価します。
デュアルウーファーによる振動除去機構などを搭載
ベルキンによると、「SOUNDFORM ELITE Hi-Fiスマートスピーカー」はコンパクトなボディで高音質を実現するために、妥協なく技術が詰め込まれています。
とくに、Devialetが特許を取得しているSpeaker Active Matching(SAM)テクノロジーと、振動を除去しながら低音を豊かに再生する「Push-Push」と呼ばれるデュアルウーファー構成による高音質が特徴です。
その高音質を、普段の生活の中で実感できるのか、2週間にわたって使い倒してみました。
1. まずはリビングでヒット曲を再生
YouTube MusicやApple Musicのヒット曲プレイリストを再生してみると、初期設定だと、低音が強すぎる印象でした。
Googleホームアプリから、イコライザーで低音と高音をそれぞれ+6〜-6までの12段階に調整でき、好みの音質に変更できます。筆者の場合、高音を上げて低音を下げると、夜でも低音が気になりすぎない好みの音質になりました。
2. 夜のPC作業中
筆者は、夜に自宅でPC作業をすることが多いのですが、マンション住まいということもあり、特に夜間は大音量で鳴らすことはできません。
音量をフルボリュームの15%に絞り、「高音質スピーカーのポテンシャルは引き出せないかな」と思いながら、作業に集中したいときによく聴くジャズピアノなどのプレイリストを再生してみました。
ここで驚いたのは、ボリュームを絞っても音の厚みが損なわれず、聴き取りやすい音質であることです。
大きな音でドンドン、ズンズン鳴らすだけではなく、小さい音でも音楽をしっかり聴くことができるのは、筆者にとって最大の発見でした。
3. オンラインライブ
最近は、多くの人気アーティストによるオンラインライブが開催され、パソコンやiPadを使って視聴する機会も増えました。
そこで、Apple Musicで公開されている、第1回ビリー・アイリッシュのビリー・アイリッシュによるライブや、Official髭男dismによる2019年の武道館ライブを、iPadにベルキンのスマートスピーカーという組み合わせで聴いてみました。
ライブ会場に響き渡る演奏や観客の歓声を、迫力あるサウンドで楽しむことができ、オンラインライブのレベルがひとつ、上がるような気がしました。
4. 映画・ドラマ鑑賞
iPadでApple TV+やAmazon Primeの映画やドラマを再生し、Bluetooth接続したスマートスピーカーで音声を聴いてみました。
印象的だったのは、1台のスピーカーで再生しているのに、サラウンドのような広がりのある音を楽しむことができる点です。
筆者が使っている、テレビ台に2.1chスピーカーを内蔵したシアターラックからAmazon Primeの映画の音を出して聴き比べてみましたが、結果は「SOUNDFORM ELITE Hi-Fiスマートスピーカー」の圧勝でした。
音量をかなり上げないと音に迫力が出ないシアターラックに対して、「SOUNDFORM ELITE Hi-Fiスマートスピーカー」は音量を絞っても音に臨場感があり、バックで音楽が流れているシーンでの人物の会話も聴き取りやすく、夜のひとり映画鑑賞を楽しめました。
5. ラジオやPodcast
iPhoneの「radico」アプリのラジオ放送や、Podcastのトークの場合、話者が男性の場合に低音が効きすぎる場合がありましたが、イコライザで低音のレベルを下げると、クリアで聴き取りやすくなりました。
6. ゲーム
複数のゲームで試してみたところ、派手なサウンドと美しいグラフィックが特徴のカーレースゲーム「Asphalt 9」などは、エンジン音やクラッシュ時の爆音を、AirPods Proとは違った迫力で楽しむことができました。
7. オンライン会議、ウェビナー
最近になって増えたテレワークでのオンライン会議と、ウェビナーでも「SOUNDFORM ELITE Hi-Fiスマートスピーカー」を試してみました。
MacBook Proとスマートスピーカーを接続してオンライン会議に参加してみました。自分の声をマイクがしっかり音を拾っているかテストしましたが、マイク音声はMacBook Pro内蔵のマイクと大差ないように感じました。マイクはGoogleアシスタントの音声コマンド入力用と割り切るのが良さそうです。
スピーカーの音質の良さは、ウェビナーの音声を聴くときに発揮されました。クリアな音声で聴くと、ウェビナーの内容が普段よりも頭に入ってくるような錯覚にも陥りました。
実勢価格は4万円前後
「SOUNDFORM ELITE Hi-Fiスマートスピーカー」の販売価格(税込)は、本稿執筆時点のAmazon.co.jp掲載価格でブラックが38,682円、ホワイトが42,545円と、HomePodの36,080円(税込)とほぼ同価格帯です。
筆者は最初「少し高いな」と思っていましたが、小音量こそ活きる高品質なサウンド、インテリアになじむ美しいデザインを考えると、価格に見合う価値があると思いました。
ちなみに、Devialetのスピーカーは、最も手頃なモデル「Phantom Reactor」でも159,000円(税込)であり、そのDevialetのテクノロジーが詰まったスマートスピーカーが4万円というのは、むしろ安いかもしれません。
まとめ:音を絞っても音が良いのが最大の魅力
高い音響性能を誇る「SOUNDFORM ELITE Hi-Fiスマートスピーカー」を約2週間毎日使いましたが、最大でもフルボリュームの50%程度で、大半は30%以下と、控えめの音量で聴くのが中心でした。
集合住宅にお住まいなら、スピーカーの出力性能をフルに引き出すような大音量を出すことはほぼ不可能でしょう。
それだからこそ、筆者にとっては、音量を絞っても音のバランスが良く、クリアで聞きやすい音が手に入ることが本製品の最大の魅力と映りました。
そして、良い音で音楽を楽しむ時間は、生活を豊かにしてくれることを実感できました。
製品情報:ベルキン
(hato)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-331182/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania