皆さんは「Podcast」(ポッドキャスト)を利用したことはあるでしょうか。インターネットを通じて音声や動画を配信できるサービスで、国内外問わずさまざまな番組が配信されています。YouTubeと同様に、企業や個人が自由に番組を配信できるのが大きな特徴です。
“Appleにまつわるニュースをリスナーと一緒に楽しむ”ことをコンセプトに、10年以上続く人気長寿番組「Apple News Radio ワンボタンの声」が、2020年11月28日(土)に放送2000回を迎えます。
今回はワンボタンの声を主宰し、番組の進行役を務める山村和久さんに放送2000回記念インタビューを実施。番組誕生のきっかけや制作環境、また山村さんとApple製品について語っていただきました。
山村和久(やまむらかずひさ)
番組を始めたきっかけは「Apple製品ファンが聞きたい番組が自分にも作れるのでは」
山村 Appleファン向けのPodcast番組を週3回、30分の内容で配信しています。前半は最近のApple関係のニュースの話題で、後半はリスナーさんから投稿いただいたメッセージをご紹介するといった構成です(Apple News Radio ワンボタンの声 番組サイト)。
山村 私は元々ラジオの深夜放送にハガキを出したり海外の日本語放送を聞くラジオ少年でしたので、随分と歳をとってからも2005年ごろからiPodブームでPodcastを聞くようになりました。
当時はApple製品の販売、サポートを行う会社に勤めていたこととMacユーザー会”MUGNET”を主宰するため、Apple製品のファンが聞きたいと思うような番組が自分にも作れるのではないかと考えて始めました。
山村 Mac標準のマウスはボタンが一つだけなのが大きな特徴であることと、海外ラジオ放送ファンでもありましたので米ラジオ局”Voice of America”のように~の声と名付けました。
放送2000回を迎えて「もう2000回なの?と軽い驚き」
山村 1000回を迎えたときは山登りの峠に着いた達成感がありましたが、そこから6年も経ったのにもう2000回なの?と軽い驚きがあります。
ちょうどiPhoneが発表になって日本でも発売されて大ブームが起き、ジョブズ氏が他界してその後も新しいApple製品が登場するのをお祭りのように話題にしていたのが1000回までとすると、2000回まではひたすらAppleが新しいテクノロジーを日常に馴染ませる努力の姿を追いかけてきたように思います。
山村 2008年11月に、番組メンバーでいらっしゃる魚井先生(大阪電気通信大学 デジタルゲーム学科 教授)にはじめて番組に参加いただいた時ですね。
それまではAppleの発表するテクノロジーの話題をしたくても私の理解が足らなくて出来なかったのが、魚井先生によって大きく番組の舵を取っていただくことになりました。いま正直に申しますと番組は2008年中に終わらせるつもりでいました。
山村 新型コロナウィルスの問題が深刻になりはじめた2020年の春頃は、2000回を迎える頃には収束しているものと見込んで夏から計画するつもりでいましたが、ご存知の通り年末までは確実にイベント的なものは開催できそうにありません。
状況がよくなれば2021年に会場を使ったイベントを催したいと思いますが、オンラインイベントも考えますので、追ってご案内してまいりたいと思います。
10年以上継続できた秘訣は「Appleをテーマに語ると話題に事欠かない」
山村 番組を始めた頃の日本のPodcast番組は個人発信の雑談トークが多く、テーマがぼやけて語り手のモチベーションが続かない例がありました。
幸いAppleをテーマに語るときに新製品、噂、過去モデルの逸話、人物伝などがあって話題に事欠かないことで自分のモチベーションも維持できていると思います。
山村 国内外の更新度の高いニュースサイトとTwitterでの個人投稿のチェック、Apple Storeや量販店の実店舗訪問といったところです。ユーザー会や前職の知人から得られる情報もあります。
自分では追えない専門性の高い話題は先述の魚井先生、ITライターの野々下裕子さんに番組内で語っていただいています。
山村 レギュラー収録はSkype通話、インタビューなどはiPhoneのRecordableというアプリで録っています。SkypeはMicrosoftに渡ってからかなり改善されましたが、それでもたまに圧縮された音声が歪んでしまうことがあります。
“Cleanfeed”など米国では収録に特化したWebサービスもいくつかあって試したのですが、長時間の収録では音質が劣化することもあり、12年の間にあれこれ替えてみた結果Skypeに戻ってきて落ち着きました。
山村 土曜の深夜に全員でSkypeから通話し2~3時間かけて収録しています。Podcastの音源を綺麗なままで残すには、話者がそれぞれのパソコンで録音したものを1カ所に集めて編集することが望ましいですが、万一ひとりでも録音に失敗すればやりなおしになるため、私の手元のMacでSkype通話を録音しています。
ステレオ音源のL側に私の声、R側にその他の声を入れることで、多少トーク時の声が被っても片方だけを編集できるようにしています。昨今のオンラインミーティングのようなスタイルの音声収録ですので、コロナの問題が発生しても収録自体はまったく変わりなく続けています。
Macとの出会いは、自分では買えないくらい高い見積を書いた「Macintosh Plus」
山村 Macの販売、サポートをする会社にいましたので、Macシリーズとの出会いは自分では買えないくらい高い見積を書いた「Macintosh Plus」でした。
その後展示会で使ったお古の「PowerBook170」を20万円くらいで手に入れたのが初Macです。定価で買えば70万円でした。
山村 Macと出会った頃は絵の道で食べていくという夢を持っていたのでグラフィックに強いMacは魅力的でしたし、iOSデバイスやサービスも結局はMacがあってこそ成立すると思っています。
山村 システムの使い勝手良さとハードのクォリティでしょうか。ふだん使わないメニューがあっても、多分こうするとこうなるだろうなと思って操作すると大抵そのとおりになる。新型が安い値段で登場して、作りを細かく見ていっても手抜きの無い製造で安心して買える。それを40年近く維持するメーカーの製品ですから。
iPhone12 Pro Max購入は「4年使い倒すために一番高い性能を」
山村 これまでiPhone7 Plusを4年も使ってきて、今もその頑丈さと日々の使用での遜色ない点を考え、次モデルも4年は使い倒そうと思いました。4年もあればそれなりにiPhoneの性能も上がりますから、新しいiOSについていくためにも一番高い性能のモデルにしたというわけです。
山村 iPhone3G、iPhone4、iPhone5、iPhone6 Plus、iPhone7 Plusです。
山村 Mac App Storeにも出ている「1-Click Video Cutter Joiner」です。ビデオ編集アプリで、アイコンやインターフェイスは凡百の編集ソフトのように見えますが、録画したテレビ番組のCMだけカットするとか、旅行で撮ったたくさんの短い動画の残したいところだけをまとめるとか、iMovieでもできるものの手間がかかるような作業が手軽に行えます。
iOSゲームでは「Swap Sword」でよく遊んでます。海外の方の作品ですが、落ちものパズルの要素と日本の剣士がバケモノと戦う世界観が可愛らしい絵で展開されます。4年も前の作品ですがいまだに遊びます。
山村 2002年ごろ、Macintosh創造メンバーのビル・アトキンソン氏が大阪に来られたとき、懇親会で同席した私たちは持っていたMacにサインをしていただきました。
これは一生の宝になると思った我がiBookでしたが、次の日起動できなくなってそのままジャンクになってしまいました。使わずに飾って次のMacを買えという暗示だったかもしれません(笑)。
山村 iPhone Maniaさんの素晴らしい記事も含めて、Appleにまつわる情報をこれからもお届けしていきたいと思っています。Podcast番組”Apple News Radio ワンボタンの声“をこれからもよろしくお願いいたします。
関連ページ:Apple News Radio ワンボタンの声 番組サイト, Apple Podcastページ
(asm)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-331261/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania