保育園ソフトウェアの開発、乳幼児のデータ収集・研究とともに保育所事業を運営するエデュホールディングスは12月8日、資金調達を発表した。引受先はプロサッカー選手遠藤航氏、エンジェル投資家の有安伸宏氏をはじめとする複数の個人投資家。
今回の資金調達を通じて、スマートエデュラ保育園の設備投資、プロダクト開発、優秀な人材の採用を加速。保育現場も徐々にIT化の流れが進んでいる中で、同社は単に紙業務をデジタル化するのではなく、保育の質を高めるための課題解決に邁進していく。また同社保育所は、2022年までに15園ほどの新規開園を予定。
エデュホールディングスは、「主体性を育む」ことをミッションに掲げ、子どもの可能性を最大化するための保育の提供と、その実現に向けた環境を構築。
主観や感覚頼りとなる「人」起点の保育ではなく、子どもの気質や発達に応じた「データ」起点の保育を提供すべく、保育園というハードウェアを根本から見直し、アップデート可能なソフトウェアという同社「スマートエデュラ」が稼働するための技術開発を行っている。
具体的には、以下3点が主な特徴としている。
- 高いデザイン性と地域の独自性に根差した「世界にひとつだけの保育園創り」
- 保育士の観察による定性データと、ICT技術を活用した定量データを掛け合わせることで、子どもの成長を見える化
- 子どもたちひとりひとりの気質や発達に応じた、パーソナライズ保育の提供
乳幼児期における自己肯定感やメタ認知などの非認知能力は生涯に与える影響が大きいことが多くの研究で明らかにされているという。また、乳幼児期(0~5歳)のひとりひとりの発達の違いは、20歳~25歳のような年齢差とは大きく異なる。そのため、子どもたちそれぞれを深く理解し、気質や発達状況に応じて保育を提供することが非常に重要としている。
しかし、多くの保育士さんが多大な努力によって子どもたちの成長を支えているにもかかわらず、経験や感覚に頼った主観的な保育による質のバラツキ、多忙な現場によって機能していない監査書類など、保育の本質ではない課題が山積しているという。
同社の「スマートエデュラ」は、保育にテクノロジーやデータサイエンスを活用することで、子どもたちの良質な活動データを取得し、その気質や発達に応じた良質な保育を提供するとしている。
これは、エデュホールディングスの完全子会社であるエデュラの技術や研究開発力、9園の保育園を運営するEduleadの実現環境と実行力により成り立っているという。
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カテゴリー:EdTech
タグ:エデュホールディングス、教育(用語)、資金調達(用語)、日本(国・地域)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/12/08/edu-holdings/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Takashi Higa