Palantir(パランティア)による連邦政府の健康問題に向けた取り組みは続いている。このデータ分析会社は、3年間で総額4440万ドル(約46億3000万円)におよぶ米食品医薬品局(FDA)との新たな契約を獲得したばかりだ。このニュースを受けて、同社の株価は約20%上昇し、過去2カ月間で2倍の価値になった。
Bloombergが報じているように、Palantirは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療のために開発されたものを含むFDAの医薬品のレビューを支援し、他にもFDAが規制している手指消毒剤のような健康製品の安全性を評価する。この契約により、Palantirのデータ解析ソフトウェアが、FDAの医薬品評価研究センターとオンコロジー・センター・オブ・エクセレンス(腫瘍学研究拠点)に導入されることになる、とBloombergは報じている。
2020年9月下旬に米国証券取引委員会(SEC)とForm S-1(目論見書)のやり取りを重ねた後、Palantirは伝統的なIPOではなく、直接上場を介して公開された。シリコンバレーの象徴であるPeter Thiel(ピーター・ティール)氏が共同設立者に名を連ねたこの謎の企業は、強制送還を実行する連邦法執行機関であるICEとの継続的な協力関係(未訳記事)で、近年注目を集めている。
FDAは、すでに新型コロナウイルス危機に関する仕事にPalantirを指名している(未訳記事)米国保健福祉省 (HHS) 内に属している。4月にPalantirは、ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策本部が、動向を追跡してパンデミックについての意思決定を行うために使用するソフトウェアの件で、HHSと2つの契約を交わした。Palantirはまた、米国疾病予防管理センター(CDC)と協力して、3月中旬にはウイルスの拡散をモデル化している。
バイデン政権がPalantirとの連邦政府の仕事を拡大し続けるかどうかは不明だが、ワクチンを配布するプロセスは、物議を醸している同社にもう1つの物流の機会を提供することになる。どの人がワクチンの2度の接種を受けたかを追跡することは、Palantirの得意分野であると思われる。
Palantirは米国内の連邦政府との契約に大きく依存しているが、海外の政府にもソフトウェアプラットフォームを販売している。11月には、英国が接触追跡の取り組みを支援する(Yahoo! finance記事)ために同社のソフトウェアを検討していたが、英国ではすでにワクチンが流通しているため、いまもそのような話し合いが続いているかどうかは不明だ。
PalantirのS-1書類によると、同社の顧客数は125社に止まり、収益の半分強は政府との契約によるものであることが明らかになった。米国内での取引が中心となりがちだが、同社のビジネスの60%は国際的なものであり、その多くは国内外で知られていない顧客である。
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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Palantir、FDA、新型コロナウイルス、COVID-19
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(翻訳:TechCrunch Japan)