このパンデミックにより、食料の大量廃棄と食料品の価格高騰が同時に起こるなど、食料システムの脆弱性が浮き彫りになった。
生産者、加工業者から小売業者、消費者までのプレイヤーと供給プロセスが関わる食料システム。気候や政策、国民の食生活の変化などのさまざな要因がシステム全体に影響を与え、その複雑な相互作用をチェックするのはむつかしい。
そこで、ジョンズホプキンズ大学のJessica Fanzo教授とAlliance for a Healthier World、国連食糧農業機関らは、食料システムに関わるデータを集約/可視化して提供するツール「Food System Dashboard」を開発した。
気候変動や都市化の影響も一目で
6月に始動したFood System Dashboardでは、政策立案者、研究者、一般市民がアクセスできるようになっている。世界の国の食料資源の入手可能性、価値、健康への影響を決定する要因……などを調べることが可能だ。
具体的には、世界の平均と比較して穀物や野菜がどれくらい生産され供給されているか、果物や野菜をどれくらい食べているか……といった国ごとのデータが時系列で示されている。さらには、気候変動、都市化、移住などの影響も確認できる。
2021年には温室効果ガス排出量のデータも追加予定
ダッシュボードは新しい情報が公表されると、自動的に更新されるとのこと。2021年1月には、水質、土地利用、温室効果ガス排出量などの環境要因に関するデータが追加される予定となっている。
Fanzo教授は、最終的にダッシュボードを公共財として位置づけ、政策立案者が農業、輸送、アクセス面での政策立案に利用できるようにしたいと考えていて、国民の健康状態および食糧へのアクセス改善に役立てられそうだ。
参照元:DATA TO IMPROVE GLOBAL DIETS/ Johns Hopkins Magazine
- Original:https://techable.jp/archives/144194
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji